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2015.04.24

僕もお客様の時は…

  
ヒロッシーナのラーメンを始めるにあたり、きちんと考えたことが幾つかあります。まずは一番に味です。それはラーメンという、ヒロッシーナにとって新しいジャンルだからではなく
ハヤシライスでも信州サーモン丼でもパスタ、お惣菜、デザートも…新しい料理ができれば、みんなできちんと試食をし、みんなの「美味しい」というOKが出て、始めてメニューに載ります。(当然ながら全員が90点以上を!というルールではなく、普通に美味しいと思えばも含みます…)

理由は、10人しかいないスタッフ全員が納得しない料理で、毎日来店される沢山のお客様を満足させることはできないと思いますし、それ以上に自分が「美味しい」と思う料理は、社員、バイト、料理人、ホール関係なく、心から接客ができるからです。

そして、ここからはヒロッシーナのメニューで、味だけでなく、それ以上に重要で大切にしていることがあります。それは、その料理はスムーズなオペレーションができるか?どうかです。
ヒロッシーナは店長の勝恵以外はみんなバイトです。れっきとした料理人ではなく、料理を作れるバイトです。そんなみんなで、いつも品質が一定した料理を出すには工夫が必要です。例えば、ハヤシライスは鍋で一回一回温めているとその時々の状況によって、煮詰まって しょっぱくなったり、オーダーが重なれば、火口が足りなくなり、料理の提供が遅れたり、熱々でなかったり、バラついた料理が出てしまいます。そんなことを避けるために、ハヤシライスのソースだけでなく、ココナッツカレーや信州サーモンのクリームソースなど、僕が仕込んで全て真空パックにしています。真空パックの良い点は沢山あるのですが、一番はレトルトパック同様、いつも同じ味で提供ができること、そしてお湯の中でもいいですし、電子レンジでも温めることができるので、薫ちゃんでも僕の仕込んだハヤシライスの味をそのままお客様に提供することができます。

ラーメンに関しても、同様でラーメンのスープは、僕が休憩時間やいつもより早めに出勤をして、毎日作っています。麺も40秒と決め、お年寄りなら1分とか、お客様を見て茹でます。後は決まったトッピングをきれいに盛り付けて完成です。みゆきちゃんでも、みおちゃんでも僕の考案した時の、そのままの味のラーメンを作ることができます。当然ランチ、ディナーの前には必ず、みんなできちんと一杯作り、味のチェックもしています。ヒロッシーナのラーメンは、そんなラーメンなのです。

〜4月10日ラーメン初日〜

そんな中、初日から僕の恐れていたことが起きました…

僕は、自称ラーメン通と称して店内でまわりのお客様がいるにも関わらず、店員をつかまえて、(うちでいう勝恵やみおちゃんなどをつかまえて)ウンチクを言って、騒ぐ人たちやネットで好き勝手なこと書いている人たちが大嫌いです…

毎日毎日、何百食、これまで何万食と10年20年、プロとして人生をかけ、味の追求をしお客様から、きちんとお金を頂き、プライドを持って仕事をし、生計を立てている、そんなお店の人たちの気持ちも理解せずに、自分の味の好みと雑誌で知ったようなウンチクを偉そうに語る、そういう人達が大嫌いです。

そんな人がラーメン初日にやってきました。正直、勝恵を始めスタッフ全員が気分を悪くし、モチベーションも下がり、本当に最悪な一日で終わりました。(そこに僕がいたら、多分塩をまいて帰らせましたが…)

その日からスタッフみんなが男性客を怖くなり、「また自称ラーメン通だったらどうする?」っというモードに入ってしまいました。

そんな数日後、ランチに二人の男性のお客様がいらっしゃいました。勝恵はかなりビビっていたようですが…
結局、その二人のお客様は普通にラーメンを食べ、帰られたそうです。ただ帰る際に勝恵とみおちゃんに「期間限定なんですか? 」「 このラーメンは本当に美味しかったので、このお店の売りメニューにしてもいいかなあと思いました」「それと本当に美味しいから大盛りもあった方が嬉しい人がいっぱいいますよ。」っと言って帰られました。

僕はその話しをランチを終えた後に聞いたのですが、みんなが過敏になっているので、「何歳くらいのどんな感じのお客様だった?」など色々と聞きましたが、結局始めてのお客様らしく、仕事の合間に立ち寄ってくれた、全然普通っぽいお客様でした。くらいで話しは終えました。

その数日後、別のお客様がラーメンを食べに、その際「おととい、北中込にあるラーメン屋さん 力丸のオーナーが来たんですね、力丸さんがTwitterですごい美味しいラーメンだった!って書いてましたよ」って教えてくださいました。

その普通のお客様だと思ったお客様は9年前に、僕がラーメンを断つと決め、最後のラーメンを食べに行った大好きな力丸さんでした。

早速お礼の電話をしました。来て下さったことに対してのお礼の電話ではなく、スタッフみんなに自信を与えてくれる、そんな素敵な言葉を言って帰られた、それに対するお礼の電話をしました。電話では、それ以外にも今回の経緯を聞いてもらい、色々なアドバイスやお店側とお客様側の立場の話し、ヒロッシーナラーメンの褒め話しなど、僕だけでなく、スタッフみんなのモチベーションが上がる、本当にためになる話しでした。正直ラーメンに人生をかけ、10年目を迎えるプロのラーメン屋さんに評価されるのは、やっぱり、僕も含めみんな嬉しいものですから。

そんな今朝、力丸さんにお店の名前を出してブログを書いてもいいですか?と電話で伺いました。それは、ヒロッシーナと力丸さん、どちらも個人店でお店のスタイルも理念も考え方も違うからです。

力丸さんはFacebookの情報にも書いてあるように9割が男性の常連のお客様で、僕は豚骨ベースのガツン系のラーメンだと思っています。
当の力丸さん曰く「ウチはラーメンが食べたくなったら、パジャマで来てもらっても構わないし、作業着でも泥だらけの長靴でも構わないよ、ウチのラーメンを食べたい人なら大歓迎だと、それがたまたま男性ばかりなんだけどね」っと笑って言っていました。

そんなことでこのブログを読んで行こうかな?って思う方にできるだけ、きちんと情報を入れ、お客様だけでなく、お互いのお店が気分が悪くならない投稿をしたいと話しました。力丸さんも心良く聞いて下さり、ブログに書かせて頂いています。

今回、勝恵やみおちゃんが言ってましたが、本当に力丸さんは、同業者風を吹かせるわけでも、全然偉ぶった感も見せずに、静かにラーメンを召し上がっているお客様でしたと…
僕はお酒が入ると、人の考え方に色々と口をだしてしまい、いつも反省ばかりのダメ人間です。今回のこの一件を教訓に偉ぶらずにいられる人になりたいものです。

そして、力丸さんに提案頂いた大盛りですが、1.5玉で中盛りとして始めることにしました!

オーナーシェフ 中山弘


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