ブログ
2018.03.18

『料理と音楽』

料理と音楽…
僕の中の2017年を
漢字一文字で表すと
ご縁の『縁』になります
本当にたくさんのご縁をいただきました
そのたくさんのご縁の中から…

昨年の11月の終わり
よくご来店してくださるお客様から
ディナーのご予約が3名様で入り
そしてご来店…
ちょうどメインのお肉料理を
出し終えた頃
「シェフに紹介したい人がいます
仕事がひと段落したら
ぜひ、僕らのテーブルに来てほしいです」と
そのお客様より
サービスしていたタカシマが言付かり
メインを食べ終わる頃を
見計らってテーブルへ
紹介されたお二人は
ともにプロのミュージシャン
一人は
歌手の湯澤かよこさん
FMラジオを聴いている方なら
ご存知の方が多いと思います
湯澤かよこさん大ファンの
リスナーは本当にたくさんいます!
あのラジオから聴こえてくる声と
彼女が歌う曲には本当に癒されます

湯澤かよこさんは
長野県伊那市出身の
オーガニックソウルシンガーで
高校を卒業後、
アメリカのバークリー音楽大学に留学。帰国後、ビクターよりCDデビューし
現在は各地でのライブ活動
ラジオパーソナリティーなど
精力的に活動しています
また北陸新幹線
北しなの線開業メッセージソング「Dreaming Girl」
JA長野県イメージソング
「いつもあなたと」など、
数々のCMソングも手がけています

もう一人は高見澤一樹さん
佐久市臼田出身
地元の方ならご存知かと思います
『トレモロアース』のギタリストで
音楽を通して
この佐久でも色々な活動をされています

高見澤一樹さん
2008年に
クラウドベリージャムと
コラボレーションアルバム
「Twist & Swing」でCDデビューをし

ギタリストとして、
プロデュ―サーとして
サウンドトラック制作
善光寺花回廊のイメージソングなどの楽曲提供、
また、数々のアーティストの
楽曲プロデュ―スに携わっていて
湯澤かよこさんをloves.vocalに迎えた「Goodbye My Love 」は
全世界で配信ダウンロードされています

そんなお二人との出会い…

でもその時は
正直、僕はお二人を
お二人も僕を全然知らない関係でした…

紹介してくださった方が言うには
「こちらのお二人とシェフは
仕事は全然違うけど
料理人としてもシェフ個人としても
こうやって出してもらっている
料理だけでなく
Facebookやブログなどを
拝見していると
シェフが持つ感性や表現力は
ミュージシャンとして
音楽活動をしているこの2人と
すごく似ているところがあって
もしかして
うまく交わる(コラボできれば)
『料理と音楽』という
新しいジャンルで
この佐久から何かを
発信できるような気がして
そう思ったらシェフに
どうしても会わせたくなって」と
熱く語ってくれました!

それをきっかけに
それから月に一度ですが
湯澤さんと一樹さんと
短い時間ですが時間を作り
『料理と音楽』をテーマに
ランチミーティングをしています

そんな先日
ランチ終了後の時間を使って
ヒロッシーニでラジオの収録を…
でもその前に
どうしてもお二人に
召し上がってほしい料理があって
早めに来ていただき
カウンターでランチを…

ちょうど
1カ月前のランチミーティング
お二人それぞれから
今までに手がけた楽曲を頂きました
その日の帰り道の車の中
僕の家はお店から車で25分程度
考えごとをするにも
音楽を聴くにも
ちょうどいい距離…
そんなつもりでの帰り道に
聴こうと思っていたはずが
完全に忘れ…
結局のところ
国道からわき道に入った
あと家まで10分程度の広域農道で
思い出し…
湯澤さんからいただいたusbを

流れてきた曲は
僕にはとても衝撃的で
本当に衝撃的で…
数時間前に一緒にミーティングを
していた人が歌っているから
そんな理由ではなく…

カラマツ林の山あいを
真っ直ぐ走る広域農道から
満天の星空が広がっていた
そんなタイミングで流れてきた
『 Beautiful world 』
だったから…

この時の僕の衝撃は
ブログでは表現できないけど
心を持っていかれた
そんな瞬間でした。
そして、それから数日
家に帰ると
リビングのソファーに座り
目を閉じて
イヤホン越しに
何度も何度もこの曲を聴きました

目を閉じて
耳を澄まして
イヤホン越しから聴こえてくる
この曲には魔法があって
色んなことをイメージさせてくれます
それは曲全体の表現ではなくて
単に思いつく単語で
そのたくさんの単語が
料理を作りたくなる魔法の単語で…!
僕も初めての経験だから
うまく言えないけど
この曲を聴いていると
水とか森とか湧き水とか源流とか
春とか土とか
新芽、からまつの新芽、白樺の新芽
太陽、朝の光、澄んだ空気
呼吸、生命、水の音、流れる川の音
天まで伸びようとする蔓(つる)
朝顔の蔓とかではなくて
エンドウ豆の蔓が
空に伸びていくような…
書き出したら書ききれない程の
色々な単語が溢れだし
そしたら…
この曲を料理で表現したくなったのです

いっぱいの単語を合わせ
料理をイメージしていく
お店のスタッフとも共有して
この料理を作りだす
僕は絵が大の苦手だから
こう手で表現する
「こんな野菜を使った
こういう感じのこういうような…」
それでも5年10年と働いてくれている
スタッフには通じているようだ。

誰かに食べてほしいとか
大好きな人に食べてほしいとか
そんなありふれた感覚ではなく
この曲を料理で表現する
そんな思いから
先ず
この季節らしい一皿が仕上がりました

最近
FacebookやInstagramでも
投稿している
もちろん召し上がったお客様も
たくさんいます

水道水ではなく
湧き水を使って
天然のヒラメのアラと(骨)
香味野菜から出汁をとり
バターとふきのとうで仕上げたスープ

この湧き水とスープを
お二人に召し上がっていただきました
もう一皿表現したい料理が
まだイメージ段階であることも
お二人には伝え…
この料理は
お二人にはどう映ったのか…笑

それでも
この曲との出会いは
僕を大きく変えてくれました
料理に対する考え方が変わりました
この数日の料理が
この数ヶ月のお店は
来店されても気づくことのない
変化かと思います
それでも僕は料理人として
この1カ月で大きく変わりました
『料理に対する考え方が変わったこと』
これは誰よりも
僕自身が知っている
僕自身がいちばんの楽しみのはずだから

そんな気持ちになると
見つかる本や言葉が必ずあります

いつも、目に止めず
ペラペラとめくっていた
料理雑誌のページから
こんな言葉が

『語りかける料理を作るためには
まず素材の「声」を聴くことです』

僕の描く
『料理と音楽』の人生
第一楽章が始まりました
ーシェフー

2018.03.11

『¥1000の対価』

先日のランチ営業の投稿の件で
たくさんのコメントをいただき
ありがとうございました

また直接
LINEやメッセージ
電話などもいただき
本当にありがとうございます

みなさんからの身になる経験談は
本当にありがたいです

あの翌日から空いた時間に
少しづつブログを書きだし
今朝、続きを書いていたら
3ヶ月に一度くらいのペースで行く
もう30年以上
お付き合いさせていただいている
中華料理屋さんを思い出して
無性に食べたくなって
ランチに行ってきました

今回のブログが『¥1000の対価』
っというタイトルで書いている中で
このお店のことを思い出したからです…

先日、Facebookの投稿で
ランチ営業の変更について投稿しました
その投稿した夜に早速
「ランチ営業が無くなっちゃう前に」
と知り合いのお客様から予約が入り
慌てるように来店してくださいました
(ここで伝えておきたいことは
ランチをやめるかもしれないからと
お客様を煽って、炎上商法のようにして
来店して貰おうという
気持ちは一切ありません
あくまでも自分自身の身体について
書いた投稿です)

そのお客様が食事を終えて
時間も少しあったのでお話をしました
「こう静かなランチが続くと
お店の存在意義ってあるのかな…?
って本当に毎日考えてしまいますよー…」
っと

ほとんどが僕の愚痴を聞いてもらったような…
そんな話の中から 一つ思ったことが…
『お店が静かな(ヒマな)理由…』

この数年でまわりに新店舗が
どんどんオープンしたから!
新しいお店がオープンすれば
それはやっぱり誰もが行きたいと思います

昔と違い今はSNS時代だから
新しいお店ができたという情報も
簡単に知ることができますし
月に何度かしかない
せっかくの外食の時間だから
新しいお店には行きたくなります

そうなれば当然
年齢制限があったり
マンネリ化した料理のヒロッシーニは
外れていくでしょう

他にも
安価なチェーン店やファミレスもしかり
働いているスタッフのサービス態度や
使っている食材や味を
気にしなければ
¥1000で十分お釣りがきます
お財布にも優しいし
閉店時間も気にしなくて済むから
たくさんの方が行くのは
当然だと思います…

そんな幾つかの理由が重なって
ウチのランチはヒマになったんだ…
っとなんとなく思いがちですが
それは全然思いません

確かにそれも多少なりの要因かもしれませんが
お店が静かになった理由は…
ただ一つ
経営者の能力の無さだけだと
オープンから12年ずっと思っています

その場所、その地域にあった
お客様が望む、お客様のニーズにあった
そんなお店をきちんとやっていれば
新店舗がいくつオープンしようが
安いお店がまわりにたくさんあろうが
繁盛しているお店は
日本中にたくさんあるのです!
やはり繁盛店には
繁盛する理由があります!

8月の終わり頃から
ランチ、ディナー問わず
アンケートを取り始めました
今までで1500人近い方に
ご協力をしていただきました

書いてくださった内容云々ではなく
皆さまがきちんと書いてくださったことに
本当に感謝しております

データを取るという意味だけでなく
お客様の色々な思いを知ることができて
本当にありがたいと思っています
4月からもアンケートを続けていきますが
どうか変わらずご協力をお願いいたします

アンケートの内容をざっと
*どちらからご来店ですか?
*ご年齢は?
*どなたとご来店ですか?
*何を召し上がりましたか?
*価格はどうでしたか?
*何回くらいご来店ですか?
*なぜヒロッシーニに来店しようと思いましたか?

最後の質問だけは書いていただきますが
それ以外は、いくつかの中から
該当するものに丸をつける
そんなアンケートです

*そんなアンケートから…
ランチにご来店してくださり
パスタランチを(税込み¥1000)
召し上がったお客様の
【安い・やや安い・普通・やや高い・高い】
の中から6割以上の方が
やや高いと高いに丸をされてました…

普通も合わせると9割の方が
逆に安い・やや安いは1割程度でした…

コメント欄には
「美味しかったです」
とほとんどの方に書かれていましたが
6割以上のお客様には
高い・やや高いと思われている現実

ヒロッシーニの原価だけでない
人件費などのすべてを含め
ギリギリ以上でやっている
パスタランチ
自分が思う『¥1000』の対価が
音を立てて崩れていきました…

ヒロッシーニのパスタランチは
¥1000(税込み、3月現在)
まず
ランチョンマットにパン皿
ナイフ、フォーク、スプーンなどの
カトラリーがきちんと並べられ
シチリア産の海塩と
EXバージンオリーブオイルが
使い回さず
お客様ごとに新しく用意され
ご予約の有無に関わらず
お客様をお待ちしています

お客様がご来店されると
まずお水とメニューをお持ちします
そしてご注文が決まった頃を
見はからっててお伺いします
(ちなみにヒロッシーニは
お客様に「すいませーん」と
絶対呼ばれないよう
お客様を見ながらを
12年前のオープンから守っています)

またご注文際には必ず
お忙しいかお時間をお聞きします
(新幹線の時間や仕事のお昼休みなど
色々な方がいますから)
またお客様のご年齢も見ながら
パスタの硬さもお伺いし
注文をお受けします

~料理に入ります~
まずパンをお持ちします
そして、サラダを
ひとテーブルごと
サラダの下がるタイミングを見て
パスタを茹でます
(この際に硬さもきちんと変えます)

サラダのお皿を下げに行きます
そしてパスタをお持ちします

お食事が終わると
パスタのお皿をお下げします

コーヒーを追加されますと
コーヒーをお持ちいたします

お客様がご来店からお帰りまで
10回近くお客様のテーブルに
丁寧に足を運びます

お客様がお帰りになると
テーブルをきちんと拭き
またランチョンマットから
きちんとセットをします…

過剰すぎるかもしれません
もっと簡素化できるところもあります
それでも、
これがお客様から『¥1000』を
頂くヒロッシーニのパスタランチです

今日無性に食べたくなってランチに行った
中華料理の食堂は
当然、ウチとはスタイルは違います
最近、息子さんに代替わりをし
今まで以上に元気なお店です

入り口を入ると
「いらっしゃいませ!」の
元気な声でみなさんに迎えられ
いつも明るいおばちゃんが
お茶を持ってきて
「最近ヒロシ君太ったかい?」
っと世間話を入れながら
注文を聞いてくれます

4人みんながバラバラの注文にも
やな顔一つせず
「ありがとうね」
っと言って注文を息子さんに通します
息子さんも注文が入ると
「ありがとうございます」
と元気に言って料理を作っています
代替わりした親父さんも
なんとなく
息子さんのサポートをしながら
楽しそうに作っています

定食がだいたい¥680くらいから
定食も8種類くらいはあります
(定食には本当に色々な物が付いてます)
ラーメンが¥600くらいから
ラーメンも10種類以上あって
贅沢にカツカレーとかでも¥800
チャーシュー麺に
大盛りライスとお新香がサービスされて¥800

お茶はポットごと置いていってくれて
水だけは自分で取りにいきます
カウンターと小上がり席の
昔ながらの食堂です

今日も
90歳近いおじいちゃんとおばあちゃん夫婦
赤ちゃんから保育園くらいの子供3人を
連れたご家族や
仕事現場が近くの作業着姿の方たち
20代の男の子3人とか
僕が中学生の頃からの知り合いとか

一切関係なく
どのお客様にも
「~定食お待たせ!」
「~はもう直ぐできるから待っててね」
と気さくに声をかけながら
仕事をしています

帰りの際も
みなさんに大きな声で
「ありがとうございました」
っと声をかけてくださる

料理のボリュームもあるし
それ以上に
じつに気持ちがいい

それなのに
そのうえ¥1000でお釣りがくる
正直、値上げすればといつも思ってしまう
そんなお店です

今日のタイトルが『¥1000の対価』
ということなので
他店の悪口のように書きますが
(完全な悪口ですが、すみません…)

チャーシュー麺繋がりから…
個人経営のラーメン屋さんって
日本中にものすごい数があります

このブログを読んでいる
ラーメン屋さん
あなたのお店のことでは
決して無いはずですので
安心してお読みください

また、ラーメン好きにみなさん
たまたま、僕が行ったお店で
感じた本当の話ですので
そんなお店ばかりではないことは
飲食店である以上わかりますので
ご了承ください

僕がこの10年くらいの間に
唯一2回だけ行ったことがある
別々のお店ですが
個人経営のラーメン屋さんの話です

まず入り口で食券を買う
(食券は人件費などを考える経営者の
やり方なので
それに対し僕はなんの問題はありません)
食券を店員に渡し
問題はここからです
その食券を店員に渡した時の
何をカッコつけてるのか
聞こえないようなスカした声で
「ありがーとーす」
そして、
ただ紙切れを取るだけの態度の悪さ
多分その人間だけでなく
経営者が1番の問題で
あれは紙切れでなく
ご注文をお伺いする大切な時間と
あれは紙切れなんかではなく
本来なら
最後にレジで頭を深々と下げて
「ありがとうございます」
と言って
いただくはずのお金を先に
受け取っている
それを全くわかってないこと

ちなみに
疑問に感じないお客もお客だけど…

そのうえ
重ねてあるコップを取り

自分で水を汲んで
たったの一回だけ料理は運ばれ

テーブルにある
ティッシュで口を拭く

食べたら帰る

テーブルはベタべタだし
勘弁してほしい

帰りの際も
お客様に本当に思ってるのか?
って思うくらい

手も止めずにスカした声で
「ありがーとーす」
と言われるだけ

そのくせ、湯切りの時だけは
やけに張り切っている職人まがい

そんなお店で支払った
チャーシュー麺『¥1000』に
お釣りは…50円
正直 ¥500の価値もないお店でした…

たまたま
行ったお店の悪いところを書いて

自分のお店を持ち上げても
良い経営には絶対に繋がらない
それは本当にわかっています

できるなら悪口を言わないで
1日を終えたいと
僕は思って生きています

ただ「確かに」
それだけの対価を払うお店かなと

自分のお店も含めて
疑問に思って飲食店に来てほしいのは事実です

こういうブログも
客足を減らす要因だと思います

年齢制限もしかり
営業時間の短さや
アラカルトがなく、コースのみのお店

書き出せば
まだまだありそうな…

気づいてないことも含め
たくさんあるはずです

12年前に
オープンした頃の佐久平とは
今は全然違います

いつもいっぱいだったあの頃のお店は
あの頃の地域のニーズに
合っていたのだと思います

7年前の今日3月11日
東日本大震災がおきました

あの日
たくさん方がすべてを失いました

ゼロではなく
マイナスになりました

何もない暗闇から
強く生きている方々います

僕なんかが軽々しく言えることでは
ないことは承知ですが

今日新聞やニュースを観れたことで
改めて考えさせられた今日だから…

僕には
たくさんのものがあることに
気づかされました

不自由ない手があること足があること
健康な身体
家族がいる
両親が元気にいる
元気なスタッフがいる
働くお店がある
食べにきてくれるお客様がいる
一緒に飲んでくれる友人がいる

12年経って
佐久平がガラッと変わったように
僕もこの12年で変わりました

僕のやってきたこの12年を無駄に
しないように

僕をヒロッシーニを大切に思って
応援してくださるお客様に恥じぬ
もう一つ上のステージを目指し

新しいヒロッシーニを作ろうと
今日3月11日に決意しました

−シェフ–

この決意にあたって
この数ヶ月
本当に親身になって
色々な相談にのってくださったお客様と
夜中でも話を聞いてくれた友人たちに
心から感謝します