ブログ
2018.07.08

『大切なお店…』


閉店の投稿から4日が経ちます
たくさんのお客様や友人が、私をお店を心配して来てくださっています
「いまシェフはどんな気持ちで…どんな状況で仕事をしているのか、これからシェフはどこへ行ってしまうのか…?
それが心配で、コメントやLINEや電話ではわからないから直接会って」と来てくださっています
とても不謹慎ですが、そのお気持ちはとても嬉しいです
だけど、ほとんどのお客様が「受け入れられないと泣いてしまったり」ただ呆然としていて…
12年という長い時間が作りだした、その光景を見ていると、本当に心が苦しく心が痛くなります…

(コメントやLINEなどで同じ思いの方はたくさんいることは伝わっています。逆にいい話ではないので、本人に聞きづらいということもわかっています
遠方の方や時間の都合がつかない方、みなさんの状況は違います。それはわかっています。来た来ないという話ではありません どうか気分を悪くしないでお読み下さい)

これからのことが、曖昧に書かれているので、歯がゆさを感じている方は多いと思いますが、金銭的なことも含めて、これからの色々な方との色々な状況の変化で私の今後が変わってきます
『近くに移転する』ということが、簡単そうで簡単にできない理由があります
それは説明がとても難しく長くなってしまいますので、心配され来てくださった方には、今のところの現状を、できる限りお話しさせていただいています

少し話が変わります
2018年6月18日のブログ
『一年後もある…』に書かれている内容は、(もう一度読んでみてください)今思えば ヒロッシーニのことを書いているように思えますが、これは本当に本当に違います!
ちょうど、この頃は予約がゼロの日が、ずっと続いていて、本当にヒロッシーニのこの厳しい状況をなんとか打破しようと、敷居を下げようと、予約状況のカレンダーを作ったり、アラカルトメニューを復活させたり、『只今 営業中』の看板を階段下に設置したりと奮起している真っ最中でした。

このブログは、春くらいに、同じ飲食店のオーナーと時間を作って、お互いのお店の売り上げや集客状況、色々な悩みや今後のことを話していた、そんな中で『閉店しようかな…』という言葉がでてきたので(私ではなく)少しでも何かが変わってくれればと思い、あのブログを書きました…

ウチが閉店の投稿をした朝、そのオーナーからメールが来ました
「決断されたのですね、ウチも続こうかと思います」と後追いのメールでした…
別の友人からも「ずっと迷ってたけど、勤め人に戻る決心がついたよ!」っと電話がきました…
この後追いのような状況に複雑な気持ちでいっぱいです

閉店せざるを得ないお店には、閉店せざるを得ない確固とした理由があります。料理がまずい、料理が遅い、スタッフの対応が悪い、雰囲気が悪い、やる気がない、お店が汚い、駐車場がない、値段が高い、客層が悪い、タバコが吸えない、子供が入れない、営業時間が短い、メニューが少ない、色々条件が多い、何度行っても入れなかった…など
そういうお店は仕方ないと思います

ただ、あなたの大切なお店、大好きなお店、潰れてほしくないお店には、やっぱり通ってほしいのです
それはレストランだけでなく、食堂でも居酒屋でも焼き鳥屋でも、ラーメン屋でもカフェでも…
一見華やかに見える飲食の世界ですが、本当に利益がうすく、労働時間だけは無駄に長く、儲かっているように見えて、内情は火の車のお店がほとんどだと思います
「私一人が通ったくらいで…」と思うかもしれませんが、そんな一人一人の小さな積み重ねが、お店を支えてくれているのです
だから、大切なお店には、やっぱり通ってほしいのです
チェーン店にお金を落としても意味がないという話ではありません。大切なお店を守れるのはお客様であり、食べてくれる人がいて、はじめて僕らは料理人なのです

現状はどうあれ、明日も変わらず料理とサービスの向上に努めていきますので、よろしくお願いいたします
ちなみに、予約状況カレンダーは、相変わらず○マークの日が多いです
○マークは予約ゼロの0マークと思ってもらって大丈夫です…笑

最後に、写真の花は…
昨晩、食事に来てくれた七代目助屋の金子くんからいただいたお花です
彼とは、同じ2006年にオープンした同期で、オープン当時はラーメンとイタリアンで色々なコラボをしたり、仕事を終えると飲みに行き、自分の夢や経営論を朝まで語りあかしたり、時には取っ組み合いの喧嘩もした仲です

最初の出会いは、お客さんに助屋さんの餃子が美味しいからと薦められ、食べに行くと、餃子の中がかなり冷たく、露骨に箸を置いて席を立ちました…
すると、オーナーの金子くんが出口まで走ってきて、深々と頭を下げ何度も何度も「もう一度だけ、作らせてください」「もう一度だけ作らせてください」と言って引き止められました
それから、彼が餃子を焼き食べさせてもらいました
その餃子はとても美味しく、そのまま、もう一皿とおかわりをしてしまいました…
「カウンターだったので、最初の餃子を焼いていたのは、まだなれないバイトだったのもわかってたけど、それは冷たい餃子の理由にならないから、露骨に箸を置き帰ることにしたんだ」
と金子くんに話し、自分の名刺を渡しながら自己紹介をしました
それから、12年変わらず僕と付き合ってくれています

「この花は、「閉店おめでとう」という意味の花では当然なく、閉店が決まると廃れていくお店が多い、電球が切れていてもそのままだったり…
そんな中でもヒロッシーニさんは、いつもきれいな花がある!そういうところが中山さんの美学だから、それをこれからも貫いてほしいから、この花を飾ってください…」
と持ってきてくれました
佐久のラーメン界を全国区まで伸し上げた金子くん、閉店のお店に花を持ってくる金子くん、相変わらずカッコいい男です

2018.07.05

『ヒロッシーニは年内をもって閉店します』


2006年、2月のオープンから12年間続けてきた、ヒロッシーニを終えることを決めました
日々支えてくださるお客様、この店舗のオーナーさんや関係者の皆様、業者の方々には大変急なお話しで、戸惑いやご迷惑をおかけすることをどうかお許しください

この決断に関しましては、色々な理由があり、昨日今日、決断した話ではございません
もちろん12年という長い歳月、やはり店舗の老朽化もその理由の一つであり、個人の飲食店にとって、この厳しい時代背景(時間の制限もなく、メニューの豊富さや安さを売りにしているチェーン店との競争)も大きな理由であります
そして、今回決断することとなった一番の理由は…
ヒロッシーニのスタッフとして10年、特に足立君の独立後、この3年間、私の右腕として働いてくれた高島健一の離職も大きな理由になります
ヒロッシーニは、安定した終身雇用の会社ではありません。私の身に何かあった場合、翌日には失業となってしまう…そんなお店です。33歳となった高島健一自身が、これから(将来)のことを真剣に考えた結果の判断であり、また お互いにとっても大きな転機だと感じ私も決断をいたしました

現状、みなさんもご存知のこととは思いますが、私がオーナーの仕事と料理人として料理全般を担当し、それ以外のこと、料理のサービスをはじめ、ソムリエとしてワインのサービス、調理補助、予約管理や電話での予約対応、顧客管理、発注や業者さんとのやり取り、そして洗い物や最後のゴミ捨てまでといった沢山の仕事を高島が担当しています
もちろんバイトのみんなにフォローしてもらいながらの仕事です
私には私の沢山の仕事はありますが、やはり高島の存在あってのヒロッシーニであり、高島抜きでこの箱(このお店のキャパ)を継続していくことは不可能なことなのです
無理をして継続させたとしても、すでに、この数年で出来上がっしまった現在のヒロッシーニの料理やサービスを維持させていくことは大変難しく、日が経つにつれ、どんどん落ちていく料理やサービスだけでなく、自分の体力やモチベーション、そんな最悪の形でヒロッシーニを終わらせてしまうことは…とこの数ヶ月、僕と高島と優子さんで真剣に考え、みんなで出した答えなのです。特に、この決断をしてからの数日、お客様とのやり取りの中で来年、再来年、もっと先の話をされることに心が苦しく、また僕らが前に進むためには、しっかりと皆さんにお伝えしなければ先に進むことができない思い、大変勝手なお話ですがこのような形を取らせていただきました

高島は、同じ飲食の世界でソムリエとして仕事をやっていくのか?それとも全然違う仕事をするのか?これから時間をかけて考えていくそうです

私自身は…
先ずは、色々な方に協力していただき、この店舗を居抜きで買ってくださる方を一番に探します
それによって今後、この佐久で自分のキャパにあった小さなお店を出すのか?
または、全然別の地で物件を探し、新たに挑戦をするのか?
それとも経営者として、また自分自身の料理を見つめ直すためにも、勤め人として誰かの下でお世話になるのか?考えていきます

居抜きで買ってくださる方を見つけるための時間と、その後の準備のための時間を考えますと、年内、年度内を区切りにと、まだはっきりは言えませんが考えております

これを読んで、僕と高島の関係を心配される方がいらっしゃると思いますが、何か揉めたわけでも、高島が逃げだすという形でもありません

10年という長い時間を一緒に働き、書ききれないほどの辛い時、楽しい時間も共に過ごした部下であり、最高のパートナーです。変な憶測を持たず、変わらずご来店いただけることをお願いします

重ねて最後に、あと数ヶ月となりますが、感謝の気持ちを込めて仕事をいたします。お客様皆様につきましては、勝手なお願いにはなりますが、できる限り足を運んでいただければ幸いです

また、色々なことが決まり次第、皆さまには、随時お伝えしていきますので、よろしくお願いいたします –シェフ–

2018.06.18

『1年後もある…』


今日、月曜日は予約がゼロでした
っというより
今週はヒマモード全開で
ほとんど毎日予約がゼロです
できれば言いたくない
全く恥ずかしい話ですが…

色々な方から
予約ゼロという
投稿はお店のイメージを悪くするから
投稿しない方がいいと言われますが…

先月から
予約状況カレンダーを始めた以上
予約の状況は誰にでも一目で
わかってしまうので
結局同じことですから書きます…

それ以上に
いつかブログで詳しく書きますが
お店がつぶれないためなら
『何でもします』という
僕の覚悟と奮闘するお話しです

小さな個人店は
『いつかお店を閉める日が来ます』
それは
明日かもしれませんし
来月かもしれません…
ずっと続くことはないのです
後継者がいない現実
または
もう現場に立つことができない
病気を患ったり、不慮の事故が起きたり
もしくは
経済的に経営のやりくりができなくなり
事実上の閉店
他にも色々な理由はあると思いますが
『いつか必ずお店が無くなる日』
(閉める日は)は来ます
一年後もお店があるなんて保証はないのです

みなさんが
今日も当たり前に通っている
レストランやカフェ
居酒屋さんやラーメン屋さんも
どうなんだろう…?
経営者のみんなは黙っているけど
「今年いっぱい、年内くらい
せめて資金が続くまでは…」
と思いながら
なんとかやりくりしている
そんな経営者もたくさんいると思います

想像してみてください
小さな個人店が一つくらい
お店を閉めたところで
みなさんの生活が
変わることなんてありません

最初はなんとなく
どこか不便なことはあったとしても
例えば…
イオンの近くで色々便利だったり
新幹線駅から近いから
遠方からお客様が来ても便利だったり
接待で大切なお客様が新幹線で
東京に帰られるのにも便利だったり

いつかどこかで「いいお店だったのに」
と仲間内で話したりはしても
違うお店はたくさんありますから
結局みなさんの生活は
決して変わらないでしょう
頑張ってきた
経営者には寂しい話ですが
それが小さな飲食店の現実だと思います

やっぱり
みんな好きなのです
フランチャイズが経営する
色々なことで融通がきくお店が
(例えば、基本個室だったり
営業時間にしても
ランチ、ディナーの区切りがなく
いつまでもお店にいれたり
それなりに安いし
(色々付ければ高上がりだけど…)
そのうえ有り得ない程メニューが豊富
だから、小さな子供から年配の方まで
みんなが満足できる
そんなお店はみんな好きですし
お客様目線だから
やっぱり繁盛するのです)

僕もたまに行きますが
悪いところより
感心してしまうことが多く
どうやってやってるんだろうと
考えさせられることや
刺激を受けて帰ってくることもあります…笑

僕らのような
小さな個人店が
それをやるには難しいことが…
いちばん重視されていて
そういうことがお客様には
大切なことなんだと
本当に寂しいけど痛感しています

これは決して
フランチャイズに対し
ひがんでいるのではなく
ましてや
そこに通うお客様に対し嫌な感情を
持っているわけでもありません

いつの間にかヒマな日が多くなり
そこにはたくさんの原因があり
たくさんの失敗や判断ミス
色々な声を聞かなかった
自分たちのエゴがあり
そんな長い時間が
作り出した結果なのです
だから、それを踏まえながら
奮闘していく
『奮闘記の予告』です
『小さなお店が生き残る』
『小さくても強いお店を作る』
そんな僕の決意のブログです!

みなさんには必ず大好きなお店が
あるはずです
そのお店が
『明日も明後日も来年も
10年後も変わらずある!』
そのためにも…
その大切なお店にぜひ足を運んでほしいです

ワインを好きなお客様のための
アラカルトメニューを
3年ぶりにはじめました!
ワインを飲めないお客様でも
アラカルトメニュー大丈夫です!
期間もなく毎日やってます
(ディナータイムだけですが…)
そして、
それ以上に「コース料理が落ちた」
と言われないように充実をはかります

それが先ずは
『奮闘記』の第一弾です –シェフ–

2018.03.18

『料理と音楽』

料理と音楽…
僕の中の2017年を
漢字一文字で表すと
ご縁の『縁』になります
本当にたくさんのご縁をいただきました
そのたくさんのご縁の中から…

昨年の11月の終わり
よくご来店してくださるお客様から
ディナーのご予約が3名様で入り
そしてご来店…
ちょうどメインのお肉料理を
出し終えた頃
「シェフに紹介したい人がいます
仕事がひと段落したら
ぜひ、僕らのテーブルに来てほしいです」と
そのお客様より
サービスしていたタカシマが言付かり
メインを食べ終わる頃を
見計らってテーブルへ
紹介されたお二人は
ともにプロのミュージシャン
一人は
歌手の湯澤かよこさん
FMラジオを聴いている方なら
ご存知の方が多いと思います
湯澤かよこさん大ファンの
リスナーは本当にたくさんいます!
あのラジオから聴こえてくる声と
彼女が歌う曲には本当に癒されます

湯澤かよこさんは
長野県伊那市出身の
オーガニックソウルシンガーで
高校を卒業後、
アメリカのバークリー音楽大学に留学。帰国後、ビクターよりCDデビューし
現在は各地でのライブ活動
ラジオパーソナリティーなど
精力的に活動しています
また北陸新幹線
北しなの線開業メッセージソング「Dreaming Girl」
JA長野県イメージソング
「いつもあなたと」など、
数々のCMソングも手がけています

もう一人は高見澤一樹さん
佐久市臼田出身
地元の方ならご存知かと思います
『トレモロアース』のギタリストで
音楽を通して
この佐久でも色々な活動をされています

高見澤一樹さん
2008年に
クラウドベリージャムと
コラボレーションアルバム
「Twist & Swing」でCDデビューをし

ギタリストとして、
プロデュ―サーとして
サウンドトラック制作
善光寺花回廊のイメージソングなどの楽曲提供、
また、数々のアーティストの
楽曲プロデュ―スに携わっていて
湯澤かよこさんをloves.vocalに迎えた「Goodbye My Love 」は
全世界で配信ダウンロードされています

そんなお二人との出会い…

でもその時は
正直、僕はお二人を
お二人も僕を全然知らない関係でした…

紹介してくださった方が言うには
「こちらのお二人とシェフは
仕事は全然違うけど
料理人としてもシェフ個人としても
こうやって出してもらっている
料理だけでなく
Facebookやブログなどを
拝見していると
シェフが持つ感性や表現力は
ミュージシャンとして
音楽活動をしているこの2人と
すごく似ているところがあって
もしかして
うまく交わる(コラボできれば)
『料理と音楽』という
新しいジャンルで
この佐久から何かを
発信できるような気がして
そう思ったらシェフに
どうしても会わせたくなって」と
熱く語ってくれました!

それをきっかけに
それから月に一度ですが
湯澤さんと一樹さんと
短い時間ですが時間を作り
『料理と音楽』をテーマに
ランチミーティングをしています

そんな先日
ランチ終了後の時間を使って
ヒロッシーニでラジオの収録を…
でもその前に
どうしてもお二人に
召し上がってほしい料理があって
早めに来ていただき
カウンターでランチを…

ちょうど
1カ月前のランチミーティング
お二人それぞれから
今までに手がけた楽曲を頂きました
その日の帰り道の車の中
僕の家はお店から車で25分程度
考えごとをするにも
音楽を聴くにも
ちょうどいい距離…
そんなつもりでの帰り道に
聴こうと思っていたはずが
完全に忘れ…
結局のところ
国道からわき道に入った
あと家まで10分程度の広域農道で
思い出し…
湯澤さんからいただいたusbを

流れてきた曲は
僕にはとても衝撃的で
本当に衝撃的で…
数時間前に一緒にミーティングを
していた人が歌っているから
そんな理由ではなく…

カラマツ林の山あいを
真っ直ぐ走る広域農道から
満天の星空が広がっていた
そんなタイミングで流れてきた
『 Beautiful world 』
だったから…

この時の僕の衝撃は
ブログでは表現できないけど
心を持っていかれた
そんな瞬間でした。
そして、それから数日
家に帰ると
リビングのソファーに座り
目を閉じて
イヤホン越しに
何度も何度もこの曲を聴きました

目を閉じて
耳を澄まして
イヤホン越しから聴こえてくる
この曲には魔法があって
色んなことをイメージさせてくれます
それは曲全体の表現ではなくて
単に思いつく単語で
そのたくさんの単語が
料理を作りたくなる魔法の単語で…!
僕も初めての経験だから
うまく言えないけど
この曲を聴いていると
水とか森とか湧き水とか源流とか
春とか土とか
新芽、からまつの新芽、白樺の新芽
太陽、朝の光、澄んだ空気
呼吸、生命、水の音、流れる川の音
天まで伸びようとする蔓(つる)
朝顔の蔓とかではなくて
エンドウ豆の蔓が
空に伸びていくような…
書き出したら書ききれない程の
色々な単語が溢れだし
そしたら…
この曲を料理で表現したくなったのです

いっぱいの単語を合わせ
料理をイメージしていく
お店のスタッフとも共有して
この料理を作りだす
僕は絵が大の苦手だから
こう手で表現する
「こんな野菜を使った
こういう感じのこういうような…」
それでも5年10年と働いてくれている
スタッフには通じているようだ。

誰かに食べてほしいとか
大好きな人に食べてほしいとか
そんなありふれた感覚ではなく
この曲を料理で表現する
そんな思いから
先ず
この季節らしい一皿が仕上がりました

最近
FacebookやInstagramでも
投稿している
もちろん召し上がったお客様も
たくさんいます

水道水ではなく
湧き水を使って
天然のヒラメのアラと(骨)
香味野菜から出汁をとり
バターとふきのとうで仕上げたスープ

この湧き水とスープを
お二人に召し上がっていただきました
もう一皿表現したい料理が
まだイメージ段階であることも
お二人には伝え…
この料理は
お二人にはどう映ったのか…笑

それでも
この曲との出会いは
僕を大きく変えてくれました
料理に対する考え方が変わりました
この数日の料理が
この数ヶ月のお店は
来店されても気づくことのない
変化かと思います
それでも僕は料理人として
この1カ月で大きく変わりました
『料理に対する考え方が変わったこと』
これは誰よりも
僕自身が知っている
僕自身がいちばんの楽しみのはずだから

そんな気持ちになると
見つかる本や言葉が必ずあります

いつも、目に止めず
ペラペラとめくっていた
料理雑誌のページから
こんな言葉が

『語りかける料理を作るためには
まず素材の「声」を聴くことです』

僕の描く
『料理と音楽』の人生
第一楽章が始まりました
ーシェフー

2018.03.11

『¥1000の対価』

先日のランチ営業の投稿の件で
たくさんのコメントをいただき
ありがとうございました

また直接
LINEやメッセージ
電話などもいただき
本当にありがとうございます

みなさんからの身になる経験談は
本当にありがたいです

あの翌日から空いた時間に
少しづつブログを書きだし
今朝、続きを書いていたら
3ヶ月に一度くらいのペースで行く
もう30年以上
お付き合いさせていただいている
中華料理屋さんを思い出して
無性に食べたくなって
ランチに行ってきました

今回のブログが『¥1000の対価』
っというタイトルで書いている中で
このお店のことを思い出したからです…

先日、Facebookの投稿で
ランチ営業の変更について投稿しました
その投稿した夜に早速
「ランチ営業が無くなっちゃう前に」
と知り合いのお客様から予約が入り
慌てるように来店してくださいました
(ここで伝えておきたいことは
ランチをやめるかもしれないからと
お客様を煽って、炎上商法のようにして
来店して貰おうという
気持ちは一切ありません
あくまでも自分自身の身体について
書いた投稿です)

そのお客様が食事を終えて
時間も少しあったのでお話をしました
「こう静かなランチが続くと
お店の存在意義ってあるのかな…?
って本当に毎日考えてしまいますよー…」
っと

ほとんどが僕の愚痴を聞いてもらったような…
そんな話の中から 一つ思ったことが…
『お店が静かな(ヒマな)理由…』

この数年でまわりに新店舗が
どんどんオープンしたから!
新しいお店がオープンすれば
それはやっぱり誰もが行きたいと思います

昔と違い今はSNS時代だから
新しいお店ができたという情報も
簡単に知ることができますし
月に何度かしかない
せっかくの外食の時間だから
新しいお店には行きたくなります

そうなれば当然
年齢制限があったり
マンネリ化した料理のヒロッシーニは
外れていくでしょう

他にも
安価なチェーン店やファミレスもしかり
働いているスタッフのサービス態度や
使っている食材や味を
気にしなければ
¥1000で十分お釣りがきます
お財布にも優しいし
閉店時間も気にしなくて済むから
たくさんの方が行くのは
当然だと思います…

そんな幾つかの理由が重なって
ウチのランチはヒマになったんだ…
っとなんとなく思いがちですが
それは全然思いません

確かにそれも多少なりの要因かもしれませんが
お店が静かになった理由は…
ただ一つ
経営者の能力の無さだけだと
オープンから12年ずっと思っています

その場所、その地域にあった
お客様が望む、お客様のニーズにあった
そんなお店をきちんとやっていれば
新店舗がいくつオープンしようが
安いお店がまわりにたくさんあろうが
繁盛しているお店は
日本中にたくさんあるのです!
やはり繁盛店には
繁盛する理由があります!

8月の終わり頃から
ランチ、ディナー問わず
アンケートを取り始めました
今までで1500人近い方に
ご協力をしていただきました

書いてくださった内容云々ではなく
皆さまがきちんと書いてくださったことに
本当に感謝しております

データを取るという意味だけでなく
お客様の色々な思いを知ることができて
本当にありがたいと思っています
4月からもアンケートを続けていきますが
どうか変わらずご協力をお願いいたします

アンケートの内容をざっと
*どちらからご来店ですか?
*ご年齢は?
*どなたとご来店ですか?
*何を召し上がりましたか?
*価格はどうでしたか?
*何回くらいご来店ですか?
*なぜヒロッシーニに来店しようと思いましたか?

最後の質問だけは書いていただきますが
それ以外は、いくつかの中から
該当するものに丸をつける
そんなアンケートです

*そんなアンケートから…
ランチにご来店してくださり
パスタランチを(税込み¥1000)
召し上がったお客様の
【安い・やや安い・普通・やや高い・高い】
の中から6割以上の方が
やや高いと高いに丸をされてました…

普通も合わせると9割の方が
逆に安い・やや安いは1割程度でした…

コメント欄には
「美味しかったです」
とほとんどの方に書かれていましたが
6割以上のお客様には
高い・やや高いと思われている現実

ヒロッシーニの原価だけでない
人件費などのすべてを含め
ギリギリ以上でやっている
パスタランチ
自分が思う『¥1000』の対価が
音を立てて崩れていきました…

ヒロッシーニのパスタランチは
¥1000(税込み、3月現在)
まず
ランチョンマットにパン皿
ナイフ、フォーク、スプーンなどの
カトラリーがきちんと並べられ
シチリア産の海塩と
EXバージンオリーブオイルが
使い回さず
お客様ごとに新しく用意され
ご予約の有無に関わらず
お客様をお待ちしています

お客様がご来店されると
まずお水とメニューをお持ちします
そしてご注文が決まった頃を
見はからっててお伺いします
(ちなみにヒロッシーニは
お客様に「すいませーん」と
絶対呼ばれないよう
お客様を見ながらを
12年前のオープンから守っています)

またご注文際には必ず
お忙しいかお時間をお聞きします
(新幹線の時間や仕事のお昼休みなど
色々な方がいますから)
またお客様のご年齢も見ながら
パスタの硬さもお伺いし
注文をお受けします

~料理に入ります~
まずパンをお持ちします
そして、サラダを
ひとテーブルごと
サラダの下がるタイミングを見て
パスタを茹でます
(この際に硬さもきちんと変えます)

サラダのお皿を下げに行きます
そしてパスタをお持ちします

お食事が終わると
パスタのお皿をお下げします

コーヒーを追加されますと
コーヒーをお持ちいたします

お客様がご来店からお帰りまで
10回近くお客様のテーブルに
丁寧に足を運びます

お客様がお帰りになると
テーブルをきちんと拭き
またランチョンマットから
きちんとセットをします…

過剰すぎるかもしれません
もっと簡素化できるところもあります
それでも、
これがお客様から『¥1000』を
頂くヒロッシーニのパスタランチです

今日無性に食べたくなってランチに行った
中華料理の食堂は
当然、ウチとはスタイルは違います
最近、息子さんに代替わりをし
今まで以上に元気なお店です

入り口を入ると
「いらっしゃいませ!」の
元気な声でみなさんに迎えられ
いつも明るいおばちゃんが
お茶を持ってきて
「最近ヒロシ君太ったかい?」
っと世間話を入れながら
注文を聞いてくれます

4人みんながバラバラの注文にも
やな顔一つせず
「ありがとうね」
っと言って注文を息子さんに通します
息子さんも注文が入ると
「ありがとうございます」
と元気に言って料理を作っています
代替わりした親父さんも
なんとなく
息子さんのサポートをしながら
楽しそうに作っています

定食がだいたい¥680くらいから
定食も8種類くらいはあります
(定食には本当に色々な物が付いてます)
ラーメンが¥600くらいから
ラーメンも10種類以上あって
贅沢にカツカレーとかでも¥800
チャーシュー麺に
大盛りライスとお新香がサービスされて¥800

お茶はポットごと置いていってくれて
水だけは自分で取りにいきます
カウンターと小上がり席の
昔ながらの食堂です

今日も
90歳近いおじいちゃんとおばあちゃん夫婦
赤ちゃんから保育園くらいの子供3人を
連れたご家族や
仕事現場が近くの作業着姿の方たち
20代の男の子3人とか
僕が中学生の頃からの知り合いとか

一切関係なく
どのお客様にも
「~定食お待たせ!」
「~はもう直ぐできるから待っててね」
と気さくに声をかけながら
仕事をしています

帰りの際も
みなさんに大きな声で
「ありがとうございました」
っと声をかけてくださる

料理のボリュームもあるし
それ以上に
じつに気持ちがいい

それなのに
そのうえ¥1000でお釣りがくる
正直、値上げすればといつも思ってしまう
そんなお店です

今日のタイトルが『¥1000の対価』
ということなので
他店の悪口のように書きますが
(完全な悪口ですが、すみません…)

チャーシュー麺繋がりから…
個人経営のラーメン屋さんって
日本中にものすごい数があります

このブログを読んでいる
ラーメン屋さん
あなたのお店のことでは
決して無いはずですので
安心してお読みください

また、ラーメン好きにみなさん
たまたま、僕が行ったお店で
感じた本当の話ですので
そんなお店ばかりではないことは
飲食店である以上わかりますので
ご了承ください

僕がこの10年くらいの間に
唯一2回だけ行ったことがある
別々のお店ですが
個人経営のラーメン屋さんの話です

まず入り口で食券を買う
(食券は人件費などを考える経営者の
やり方なので
それに対し僕はなんの問題はありません)
食券を店員に渡し
問題はここからです
その食券を店員に渡した時の
何をカッコつけてるのか
聞こえないようなスカした声で
「ありがーとーす」
そして、
ただ紙切れを取るだけの態度の悪さ
多分その人間だけでなく
経営者が1番の問題で
あれは紙切れでなく
ご注文をお伺いする大切な時間と
あれは紙切れなんかではなく
本来なら
最後にレジで頭を深々と下げて
「ありがとうございます」
と言って
いただくはずのお金を先に
受け取っている
それを全くわかってないこと

ちなみに
疑問に感じないお客もお客だけど…

そのうえ
重ねてあるコップを取り

自分で水を汲んで
たったの一回だけ料理は運ばれ

テーブルにある
ティッシュで口を拭く

食べたら帰る

テーブルはベタべタだし
勘弁してほしい

帰りの際も
お客様に本当に思ってるのか?
って思うくらい

手も止めずにスカした声で
「ありがーとーす」
と言われるだけ

そのくせ、湯切りの時だけは
やけに張り切っている職人まがい

そんなお店で支払った
チャーシュー麺『¥1000』に
お釣りは…50円
正直 ¥500の価値もないお店でした…

たまたま
行ったお店の悪いところを書いて

自分のお店を持ち上げても
良い経営には絶対に繋がらない
それは本当にわかっています

できるなら悪口を言わないで
1日を終えたいと
僕は思って生きています

ただ「確かに」
それだけの対価を払うお店かなと

自分のお店も含めて
疑問に思って飲食店に来てほしいのは事実です

こういうブログも
客足を減らす要因だと思います

年齢制限もしかり
営業時間の短さや
アラカルトがなく、コースのみのお店

書き出せば
まだまだありそうな…

気づいてないことも含め
たくさんあるはずです

12年前に
オープンした頃の佐久平とは
今は全然違います

いつもいっぱいだったあの頃のお店は
あの頃の地域のニーズに
合っていたのだと思います

7年前の今日3月11日
東日本大震災がおきました

あの日
たくさん方がすべてを失いました

ゼロではなく
マイナスになりました

何もない暗闇から
強く生きている方々います

僕なんかが軽々しく言えることでは
ないことは承知ですが

今日新聞やニュースを観れたことで
改めて考えさせられた今日だから…

僕には
たくさんのものがあることに
気づかされました

不自由ない手があること足があること
健康な身体
家族がいる
両親が元気にいる
元気なスタッフがいる
働くお店がある
食べにきてくれるお客様がいる
一緒に飲んでくれる友人がいる

12年経って
佐久平がガラッと変わったように
僕もこの12年で変わりました

僕のやってきたこの12年を無駄に
しないように

僕をヒロッシーニを大切に思って
応援してくださるお客様に恥じぬ
もう一つ上のステージを目指し

新しいヒロッシーニを作ろうと
今日3月11日に決意しました

−シェフ–

この決意にあたって
この数ヶ月
本当に親身になって
色々な相談にのってくださったお客様と
夜中でも話を聞いてくれた友人たちに
心から感謝します

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