~ 恵まれた地で ~

春は家の前の土手にフキノトウがびっしりと顔を出し、道一本隔てた林の中ではタラの芽やワラビ、山三つ葉の群生地。秋には、ヤマドリ茸やりこぼう、本しめじや栗茸などの野生のきのこが採れ、数キロ離れた『地蔵池』から湧き出る湧き水を毎朝汲み、クレソンを摘んで帰る。

北八ヶ岳の麓、車を数分走らせると無農薬・無化学肥料の地味溢れる野菜を作る契約農家さん『のらくら農場』や『あさひや農場』がある。
北八ヶ岳の清流、大石川の冷たい水で育てられた『八千穂産の信州サーモン』
そして、私の住む佐久穂町は日本でも有数のプルーン産地、他にもブルーベリーやりんごなどの果実に恵まれ、 冬には北八ヶ岳や浅間山麓で仕留められた鹿やイノシシなどのジビエが届く。

そんな恵まれた地で一生懸命なスタッフに囲まれ大好きな料理を毎日作らせてもらっています。

~ ローカル コンシャス ~

信州には海がありません。当然魚をはじめとする魚介類は、この地では獲ることができませんが、島国 日本という恵まれた環境の中、『地産地消』という言葉だけにとらわれず、長崎五島列島から届く新鮮な鮮魚をコースの中に織りまぜながら…

またお肉も信州産だけでなく県外産の物やイタリアをはじめ、フランス、スペイン産の物なども使いながら、もっと自由に料理を!と日々考えていますす。

『ローカルコンシャス』

地元の食材をできる限り使うことを意識しながら、目の前に並ぶ『今日の食材』をお皿の上で表現したいと思います。

信州にお越しの際は、是非お立ち寄りください。
スタッフ一同心よりお待ちしております。

オーナーシェフ 中山 弘



~ ディナー ご予約状況カレンダー ~

〇=充分お席がございます
△=空席が少なくなってきております
空席状況も詳しくご案内しております。また、ランチは急に満席になることもあるため、下記に状況の記載はございません。お電話にてお問い合わせをお願いいたします。

電話: 0267-67-7767
ご予約の際には、必ずキャンセルポリシーをご確認ください。



2018年12月14日

『父の背中…』

父の背中…父の背中…

昨日、親父から「今日ランチに行きたいけどカウンター空いてる?」っと電話が来ました。
「本当は、明日が弘のお店の最後だから明日行きたいんだけど、明日は病院だから」と
じつは、親父は一昨日退院してきたばかりで…
退院明けの昨日でした…
ここのところ、親父は入退院をずっと繰り返していて、何にも無ければ、「退院したばかりなんだから今日はやめとこうよ」とランチだけでなく外出も控えてもらうのだけど、昨日は少し悩んで折り返しの電話でOKをしました。

ヒロッシーニ最後の日(前日ですが…)という特別な日であることは、もちろんあります
それ以上に、息子のお店だからという単純な理由ではなく、ヒロッシーニの13年の時間に親父の存在は大きかったからです

まだ薄氷の張る川辺のクレソン採りから始まり、春の山菜、ふきのとうや僕の大好きなわらび、夏は、あの暑さの中、野辺山まで行ってキャベツやブロッコリー、レタスを軽トラいっぱいに取ってくる
そして秋、何と言っても、あの天然キノコです。2年前から僕も親父に場所を教えてもらって採りには行ってますが、あれだけの種類にあの量はホント圧巻です!今になって、親父の凄さをしみじみ感じています。
そして冬…
霜が降りて、凍った野辺山の畑に寒〆ほうれん草や白菜、野沢菜を何日も何往復もかけて採りに行ってくれています。
今年は僕も何回か採りに行きましたが、日中でもマイナスの野辺山はさすがにきついです…
今年は少し体調がいいとお母さんと一緒に採りに行ってくれていました。
それが無理に繋がってるのかな…と無責任に聞こえますが思っています
「ほうれん草が無くてもお店は営業できるから」と何度言っても
それでも体調が良ければ、動けるなら、ほうれん草が足りているのか心配になってしまい採りに出かけてしまいます…
そう思ってしまう、親父のその気持ちを抑えつけるのは、やっぱりできないかな…

すべてを書ききれませんが、ヒロッシーニに来店してくださったお客様は必ず、父の採って来てくれた食材を召し上がったことがあると思います
もう何年も何年も
ヒロッシーニの時間に親父の存在は、とても大きかったのです

だから、昨日はランチに来てもらいました。
食が細くなったのか、いつもは簡単に食べていたパスタを少し残していました…
最後に二人で、エントランスの花の前で写真を撮りました
「一緒に写真を撮ろう」と親父に言ったのは、人生で初めてのことです
意外に良く撮れていたので良かったです。

今日でヒロッシーニの営業は終わります
本当は今日来てほしかったな…

写真は…
12月2日のイベント
『食と音楽のマリアージュ・セッション』
その時のスープに使ったふきのとうです
あまり知られていませんが、ふきのとうは12月の今頃から顔を出します。そして雪が降り…雪の下で、じっと春を待っているのです
どうしても、このイベントで使いたくて、親父に毎年採って来てくれる場所を聞きましたが、何日も見つからず…諦めていたら、セッションの前日、親父から「ふきのとう採っておいたぞ!」と電話がありました。
小さな小さなフキノトウでした…
10粒くらいのわずかな量でしたが、僕には抱えきれないフキノトウでした
涙が止まらない、そんな食材でした ーシェフー