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2017.03.18

キャンセルについて

2週間程前に受けた、12名様の土曜日のディナーの団体予約
予算もヒロッシーニの中では一番高いコースでした。
(ご本人には、このブログのことは確認済みです)
そんな当日の2日前、その方からお電話がありました。
「シェフ、本当に申し訳ありません、明後日どうしてもキャンセルをさせて下さい、もちろん全額キャンセル料は、支払いに行きますし、2〜3週間のうちにもう一度同じ予約も入れますから」っと…

僕の携帯に電話が来るくらいなので、知らない関係ではありません
理由を尋ねると
詳しくは書けませんが、家族が急な病気になり緊急入院することになったようで、今も病院からのお電話でした。

本来なら、先ず土曜日の団体予約ですので、だいぶ前には満席になっています。そのため何件ものお客様のご予約をお断りしていますのでキャンセル代は頂きたいものです。
または、一人減る分でもご来店し、その会はやってほしいのですが、予約を入れた方が社長の会社で、その社長が右腕として、何年も働いてくれた方の送別会でしたので、それは難しく…

ただ、電話で間髪入れずに「キャンセル代を全額支払いに行きます」っと言ってくださった言葉に「全然大丈夫ですよ、土曜日だし必ず満席にしますから、安心して下さい。そのかわり、送別される人は新しい職場で複雑かもしれないけど、近く送別会リベンジをしに来て下さいね(笑)」っと伝えました。

それから数日して連絡が、1カ月後に、「同じ内容でお願いします」っと予約をいただきました。

彼は、とても紳士な方で、カウンターの常連さんです。
(ちなみに、ウチは紳士なお客様が本当に多いお店だと思います)
食べ方だけでなく、料理人やサービススタッフにも、いつも配慮してくれています。料理が提供される度に、話しを止め、料理の説明を聞き、質問されたり「シェフ、美味しいよ」っとカウンターからお褒めの言葉をかけてくれたり、サービス(ソムリエ)にもワインのセレクトを褒めてくださったり、支払い方など色々なところでレストランのマナーを心得ています。
だから、そのお客様がカウンターに来店される日は、本当に嬉しいですし、料理もいつも以上に張り切ります
例えば、和牛のフィレを一本買います。同じ和牛のフィレの中でも端っこや真ん中など色々な場所があります。僕はその中で一番いい部分を、そういった特別な存在のお客様に召し上がってもらっています
(注 他の方のお肉が決して悪いわけではありません…)

その反面、カウンターによく来て下さるお客様の急な予約でも、できるだけ今ある食材で、何年何十回記録してあるノートを開き、かぶらない料理を考え、提供しても、特に料理に対して反応することもなく、『僕らはお客様だ』って顔で帰っていくお客様や特別メニューをお願いされ、わざわざ作っても食べないのでかえられるお客様
これは、愚痴や文句というわけでなく、寂しいなっと感じてしまします(自分が寂しいじゃないですよ…)
『トンカツの衣事件ではないですが、レストランである以上、そんなことはお客さんの自由ですから…

話しがそれましたが、今日はキャンセルのことで書かせてもらっています

ちょうど、一年前に僕は車を買いました。(リースですが…)納車の日、パンフレットで見た色とは、なんとなく違いガッカリでしたが、さすがに「返品できますか?」とは車屋さんに聞けませんでした。何故なら当たり前のことだから

ケーキ屋さんに、お願いをしておいたバースデーケーキを「今日は用事ができたからいらなくなりました」とも言いません。理由はどうあれ買います。
回転寿司に、娘のひな祭り用に¥3000のセットを予約しておきましたが、「娘が風邪を引いたのでキャンセルお願いします」とは言いません…
新幹線の切符を買ったけど、(乗らなかったので、お金を返して下さい…」
旅行に行かなかったので……
どんな理由があろうとキャンセルはしません。またはキャンセルをしてしまった場合はキャンセル料を支払うのです。
これは、ずっとずっとむかしからの当たり前のことなのです

オープンから12年、色々ありますが、この数ヶ月のお話を

【金曜日のディナー19時より…¥3800のコースを4名様】
こんな予約を受けていました。

19時45分になっても来られないので、電話をすると繋がりません
20時15分にもう一度、出ません…
さすがに、閉店時間もあるので最後に21時に電話
ようやく出てくれました
私たちは下手に「今日ご予約の○○様でよろしいですか?」
「はい」
「19時になってもお見えにならないので、お電話を何度もしていましましたが…」

すると「あっ! キャンセル、キャンセルで」

「それでしたら、早めにお電話をいただければ…」と

「会議中だったんだから、しょうがねえだろ! それより会議中に着信うるせえよ…怒」

「そうしますと、予約の際にもお話しましたが、キャンセル代を半額お支払いいただ…」

話しがまだ途中というのに
「あんた馬鹿か、何にも食ってもいねえのに、なんで払うんだよ」ガシャ…っと切られてしまいました。
それから電話が繋がることはありません。

同じような方も
閉店間際にようやく繋がると「相手が仕事が終わらなくて…」

こんな話しは意外にあります。
もちろん、ディナーはコースのみですので、ご予約の際には事細かに伝えますが…

まず、僕の持論ですが、レストランに『仕事が終わんなくて』っと言って遅れる方は
『私は仕事のできない人間ですよ」と言っているようなもだと思っています。
レストランを予約した時点で、その日から仕事を調整するんじゃないんですか? それが( 調整)できない人間なのだと…
調整ができなかったり、会議があるなら、予約をしなければいいのです。それとも飲食店を見下しているかのどれかの気がします。

みんなが待っているのに、一人だけ仕事が終わらず、何時間も遅れてくるお客様、仕事が終わらないから、営業時間を過ぎてやってくるお客様、仕事が終わらなかったと閉店したころに「キャンセルで」とキレるお客様

すいませんが、僕は仕込みが終わらないからといって、オープン時間を伸ばしたりしません
僕は、12年オープン時間をしっかり守り、毎日毎日きちんとし時間を守っています。

そして、このブログを読んで『食べてないんだから、払う必要ない』と思った方がいましたら、聞いて下さい。

レストランでの予約は、食べた食べないという話しではありません。その時間の(空間の)席を買っているのです。
『予約』というのは、予めの約束
大人の約束なのです。

ヒロッシーニの夜の客単価は、約¥4200くらいです。お客様は予約をした時点で、例えば、この¥4200という商品、席を買ったのです。
僕らは、この商品を買ってもらってお店を経営しているのです。だから、食べた食べない話ではないのです。

それでも、病気やご不幸など色々なことがあります。キャンセルをしなければならない時もたくさんあります。
それは仕方がないことなのです。

決してキャンセルされると、売り上げが無くなるからと、文句で書いているわけではありません。

ただ最初に書いたお客様のように、直ぐに連絡をもらえたり、近く別の日で都合をつけてもらえたり、僕らも人間商売です。予約の時間を過ぎそうなら、電話をしてもらえれば、それだけで毎日気持ちよく生きていけるのです。

そして、そのルールを守ってもらえるお客様が多いお店が、いつまでも続くお店になるのだと思います     シェフ

すいません、急患などの医療関係の方や消防などの方など命に関わるお仕事の方、一刻を争う時間の中で、キャンセルの電話をするよりも…

命に関わらない方でも急な仕事が入ることはあると思います
色々な方の支えあっての私たちの仕事です

付け加えると

ただ、このブログで言いたかったことは、これだけの携帯電話の時代、電話一本くらいはできると思います。

地震や大雪、津波などの災害でなければ…

それが言いたかったのです。


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