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2014.11.28

小さな食文化

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滋味溢れる『のらくら農場』の冬野菜で作るバーニャカウダや冬にんじんの甘いサラダ、寒〆された野辺山のほうれん草
それだけでなく、この季節ならではの美味しい食材をつめたデリ惣菜

決して手頃な価格のスーパーのお惣菜やコンビニ弁当と張り合うつもりで始めた訳ではありません…価格だけとってもスーパーやコンビニに立ちうちできませんから…

ただそれよりも、日々の仕事パートや自営業、介護に子育て、みんな毎日忙しく大変な日が沢山あります。そんな忙しい日の夕飯にスーパーのお惣菜を食卓に並べて「お母さん手抜きしてる!」って言われたり、旦那さんにそう思われてたり、忙しすぎて『今日はやっつけご飯でいいや』ってコンビニ弁当になったり…
スーパーのお惣菜やコンビニ弁当が身体に悪いと文句を言うつもりはありません。
「僕の作る料理は安全で美味しいよ」なんて到底言うつもりもありません。

ただ、もしそこに…忙しかった今日の夕飯の食卓に、一人暮らしの夕飯に、まだ残業中のデスクの上に
バーニャカウダが一つあるだけで、季節のお惣菜が一つあるだけで『心豊かな食事』にほんの少しだけ変わればいいなと思って始めました。

そして、そして、そんな夕飯に旦那さんが「たまにはワインでも開けよっか」なんて言ってくれたら、多分奥さんよりも僕が一番嬉しいです。 シェフ

2014.11.12

秋の叙勲

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オープンから9年、もう数ヶ月でようやく10年目を迎えます。
オープンした頃は…
色々なお客様に色々とキツイご意見を頂きました。
『たらこスパはねえのかよ?』
『カレーやハンバーグ、ライスは置いてないの?』
『こんな田舎で野菜ばっかり出したって誰も食わねーよ!』
『野菜なんかいいから肉とかを置いたら…』などなど

<完全禁煙>
そして、僕の中に料理とタバコは共存できないと思っていました。
なのでオープンから半年やはり店内を完全禁煙にする決意をしました。
まだ駅や公共施設でも禁煙じゃなかった9年前、分煙という言葉もなかった時代に店内完全禁煙をはじめました
その頃来て下さっていた常連さんも『なんだよ、禁煙にしたのかよ!』っと怒鳴って出て行ってしまう日々が続き

<年齢制限>
ゆっくりとお食事を楽しみたい、大切な記念日には二人で過ごしたい、
そんな気持ちでご来店して下さるお客様が少しづつでしたが増え始めました。
ちょうどそんな頃、横を子供が走り回っている光景も増え始めました。スタッフが子供のご両親に注意を促しても一切聞き入れて頂けず、最後は結婚40年の記念にみえたお客様が、その親御さんを怒鳴りつけました。配慮の行き届かない私達スタッフの不甲斐なさのために大切なお客様の大切な記念日を台無しにしてしまいました。
その時、ずっと考えました。
僕の料理をどんな方にどんな風に召し上がって頂きたいのか
そして『お子様の年齢制限』を決めました。
色々な方から『子連れ排除の店だ』『子供嫌いのオーナー』
『三つ星レストランのシェフにでもなった気かよ』
ネットでも散々書き込まれ、面と向かっても言われ…

正直、この一年飲食店にとって色々な面で厳しい状況が続いています。売り上げも下がりお店を閉めることも考えたりします…

今朝、信濃毎日新聞の『お店ものがたり』に掲載され、その記事を読んで、自分だけのちっぽけな主観の話しですが、なんかこの9年間の辛かったことや苦労したことが走馬灯のように出てきて、朝から涙が止まりませんでした。

本当にこの5年くらい、大好きなバーニャカウダやミネストローネ、野菜中心の料理や野菜主体のパスタを召し上がってくださるお客様ばかりです。「本当にお野菜が美味しい」と言って下さります。
そして、この何年ずっと変わらずにご来店し、いつも支えて下さるお客様に囲まれて料理を作らせて頂き本当にありがとうございます。

なんだか、今朝は秋の叙勲を頂いた気分でした。
これからも変わらずに、よろしくお願いします。 シェフ

2014.11.09

5万円の未来…

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今日、親友の『たなべ診療所』のたなべさんがきたやつハムが今年初めて作った、原木生ハム(約5万円)を丸々一本買いをしてきました!
そんな、せっかくの素晴らしいの生ハムだから『弘さんと一緒に食べたい』と今夜は記念すべき生ハム入刀の祝いの席に誘われました。
多分、Facebookの投稿を見た、ほとんどの人は「何⁉︎ その贅沢な投稿…」
と思われたことかと思います…。

<そんな今日僕が思ったこと…>
人口1万人の小さな僕の町には、自社で放牧して育てた豚でイタリアやスペインのように生ハムを作る『きたやつハム』というハム屋さんがあります。
八ヶ岳の清流で丁寧に育てられた信州サーモンでスモークサーモンを作る『八千穂漁業』という生産者がいます。
そして、自分の農園のりんごでシードルを醸造する『RINGOYA SUDA』という、りんご屋さんがあります。

よく『佐久市だか?なんだか、よくわからない町だと』いつも馬鹿にされている佐久穂町ですが、少しづつですが、ヨーロッパの文化に似た新しい何かが始まりつつあります。
そして、それ以上に『アンテナさくほ』の力武さんを中心に古きの文化も大切にした里山の暮らしのプロジェクトも並行して進んでいます。

『地酒を飲みながら、今年のお米の収穫を祝う』
『地元のシードルを飲みながら、今年の生ハムのできを祝う』

仲間同士でお金を出し合って生ハムを一本買う、そしてシードルやワインで祝いのお酒を飲む
そんな夢のような話しです…

今日11月9日はそんな無限の可能性を秘めた記念すべき最初の日だったのでした… シェフ