遺品
7年前の今頃、頭の中は早く独立して自分のお店を持つこと
そのことばかりで毎日物件探しをしていました。
佐久平周辺も今ほど、個人経営の食べもの屋さんも
少なく、その上2階での飲食業はなかったような気がします。
僕が選んだのは、イオンさんと佐久平駅の間、下には日本旅行やブテッィク、2階には美容院やアウトドアのお洒落なお店。
2階しか空いてないけど、佐久平のど真ん中
「2階でもここならやっていける!」と思い決めました。
1年が過ぎ・・・3年が過ぎ・・・
5年目くらいからお客様の層が変わってきました。
60代、70代の方がランチを半分以上占めるお店になってきました。
腰を曲げてあの階段を、杖をついて、誰かに担ってもらってあの階段を。
お年寄りには、そこまでさせて入店させる。ひどい店です。
5分以上かけてあの階段を上がる常連でもあり、
私の料理にいつも優しく、時には厳しく育ててくれた方が先日亡くなりました。
毎日「ヒロッシーニに行きたい」と言っておられたそうです。
結局彼女との最後は6月
「今度はリゾット大盛りよ」が最後の言葉でした・・・。
正直、地に足を着いた一階でお店をしたいと毎日思っていますが、なかなかできず。
借り入れの返済、これからの借り入れなど厳しい現実話があって・・・。
でも、まじめに考えていきたいと思っています。
写真は、彼女が育てた天才陶芸家キムホノさんのお皿です。
彼女の遺品として頂きました。
これから大切に使っていきます。 シェフ