おかげ様で、2月2日にヒロッシーニは20年目を迎えます。
飲食店の10年生存率は、10%未満と言われています、開業から3年以内で70%が廃業、5年で80%、10年では90%以上が廃業するとも言われている中、20年目を迎えられることは大変喜ばしいことでもあり、誇らしいことでもありますが、だからといって、21年目を迎える、22年目を迎えることができるかどうかはわからないですね
そんな気持ちも踏まえて、半年ぶりに長文のブログを書きました。
お時間があれば、ぜひご一読ください
『レストランの奇跡』
ヒロッシーニは小さなお店ですので、20人、30人という大宴会のご予約はありませんが、2週間前から8名様のご予約や1カ月前から4名様のご予約、6名様のご予約など、だいぶ先からのご予約をいただくことが多いです
そして、その当日を迎え、人数変更もなく、8名様や6名様が揃うことがよくあります!
それを僕は大袈裟に思われるかもしれませんが『レストランの奇跡』といつも呼んでいます
例えば、会社の集まりや友達同士、女子会だったり、色々な集まりがあります。そして、そのお客様それぞれが色々な背景を持って生きています
一人暮らしの方もいれば、ご夫婦、ご家族暮らしの方など、親の介護があったり、小さなお子さんがいたりと家族構成も様々です
だから当日、お子さんが急に熱を出し欠席してしまうこともあれば、介護が大変になったり、急なご不幸や、車で来る途中追突をされたり、もちろん本人だけでなく家族がインフルエンザやコロナにかかったり、考え出せばキリがないほどあります
そんな、色々な可能性がある中、欠席者なく、当日8名様揃うということは、「まさに奇跡!」なのです!
皆さん揃って元気に乾杯し、皆さんが笑って食事を楽しむ♪
それが『レストランの小さな奇跡』なのです(^^)
『十二指腸潰瘍…』
じつは、つい数週間前の話しです…
満席をいただいていた、平日のディナーの日
休憩明けの17時頃から、胃、みぞおちのあたりにかなりの痛みが、(厳密に言うと朝から軽い痛みが…)
それでも18時から何件も予約が入っていたので、処方されている薬を飲み、いずれ落ち着くだろう…と思い、何とか厨房に立ちスタンバイをするのですが、17時30分過ぎには、立っていられないほどの耐えられない激痛が始まり(ノタウチ回るほどの激痛)、17時45分に、今日の営業は不可能と優子さんが判断をし、もう時間的に遅いのですが、19時のお客様には、取り急ぎお電話で事情を説明しお詫びを、また18時にご来店されるお客様は、もう時間でしたので、来られた順に事情を説明しお詫びをし、「急なこんなことになってしまい、申し訳ございません、こちらの勝手な話しですので、これから、どこか探して行かれるお店でお使いください」と、ご予約されていたコース料理の代金と同額(全額)をキャンセル料としてお渡ししました。
そんな中、私はお詫びもきちんとできずカウンターでうずくまっていました…
本当に申し訳ございませんでした
薬が効いたのか18時30分過ぎには、だいぶ痛みも治まりましたので、そのまま佐久病院に急患で行きました
どのお客様も、こちらからのキャンセル料としてのお金は、一切受け取ってくれませんでした…
「私たちはまた来ますので、それよりも早く病院に行ってください」と皆様同じことを言われ、お帰りになりました
一年前の足の骨折の時も皆様同じご対応でした…
皆様、私の体を一番にご心配され…
その後、骨折から復帰すると、「1カ月も休んだ分、経営も大変だから」と言って、たくさんのお客様が、いつも以上に通ってくださいました。
本当に感謝の気持ちでいっぱいであります
『変わりつつある…』
2006年に佐久平駅前にヒロッシーニをオープンし、2023年2月の『人とのご縁を大切に』のブログでも書きましたが、「とにかく10年はお店を潰さない!」という強い気持ちだけで、ただひたすらに、がむしゃらにやってきました。
借り入れの返済、家賃の支払い、業者さんの支払い、従業員にきちんと給料を支払い、そして、わすがかでも利益を出す、新しいメニューやイベントを日々考え、周年祭やお節もやっていました
多少原価割れしても、体がきつくても、きちんと集客をし、ただただ継続することだけを一番に考え必死にやってきました…
岩村田商店街に移ってからも同じでしたが、それ以上に、コロナ禍になったため、「このコロナの状況下を何としても乗り切る!乗り切ってやる!」そんな強い気持ちだけでやってきましたが…
昨年の7月に佐久平に移転しました、その頃から、特にこの数ヶ月は前文で書いたような気持ちで経営をしなくなってきました。
もちろん、お店を経営している以上「きちんと売り上げ行く」ということは前提ですが…
『日々是好日』
私や優子さんの健康、家族の健康、スタッフや取り巻くまわり人たちの健康、そして、通ってくださるお客様の健康があって、ヒロッシーニは、19年間ずっと継続してこれたんだと強く感じています
つい数週間前、お腹の激痛で、ご来店されたお客様にお帰りいただきました…
オープンから20年弱経ちますが、営業中にその場で倒れ、お客様にお帰りいただいたことは一度もありませんでした。
例え、その日が満席でも僕が急に休んだり、突然倒れたら、結局、その日の売り上げはありません
逆に僕が元気に厨房に立っていても、優子さんに何かあれば、もちろん、ご来店予定だったお客様に何かあったら…
この19年間、そういうことが全くなく、奇跡のような毎日を送ってこれたことに改めて感謝しなければと思います
『日日是好日』
(にちにちこれこうじつ)
「どんな日も最高のいい日であり、過去を悔やまず、未来に期待しすぎず、現在を精一杯生きる大切さ
今日の一日は二度と来ない、かけがえのない一時であり、全身全霊をこめて生きることが好日を見出すことに繋がります。 自らの生き方に好日を見い出すことが大切である」
今年の元日の書き初めで、優子さんが書いた禅語の一つです。この意味を知り、何かつかえているものが、すっと心に落ちました。
何ヶ月も何年も先のことを考え過ぎて、今日を病まず、楽しいことも辛いことも含め、今日一日を精一杯生きることに努める
そして、無事に過ごせた今日一日の終わりにきちんと感謝をして眠りにつく
どんなに素晴らしい食材が届こうが、料理する私が健康で元気でなければ、そして、それを運んでくれる優子さんが、そして、召し上がってくださるお客様皆様が健康で
そんな、今日一日一日の時間を大切に積み重ね、そんな毎日を積み重ね、気がついたら、21年目が、22年目がやってきている。そのくらいのスタンスで「今日を精一杯生きたいものです」
基本、レストランは元気な方が来る場所ではありますが、「ちょっと元気がほしい…」と弱っているお客様がいましたら、ぜひお出かけください。少しでもヒロッシーニのお料理で元気になったり、お客様の処方箋代わりになれれば、私たちは幸いです。
先週、数日休ましてもらい病院や内視鏡などの検査に行ってきました。
とりあえず、今回の腹部の激痛は十二指腸潰瘍ではなく、『胃痙攣』の可能性が一番高いと言われました。
ご心配をおかけしました皆様、今は薬のおかげで痛みもなく落ち着ていますのでご安心くださいませ。またのご来店を心よりお待ちしております
また今年は、ブログ活動を再開したいと思っています
月に1回くらいのペースで書ければと思っておりますので、ご拝読いただければ幸いです
20年目のヒロッシーニを、今後ともによろしくお願いいたします
〜シェフ〜