こだわらない


  昨日、久しぶりにのらくら農場の萩原さんの所に
野菜をもらいに行ってきました。
 テレビ番組に出てくるシェフたちのように毎朝
畑へ行って今日使う分の野菜を採っているわけではありません。
意外とお客さまにそう思われているようなのでブログで書きます。
のらくらさんの野菜は週に2、3度注文を出してアダッチーニがもらいに行くか萩原さんに配達してもらうか、そんな感じです。
他にもあります。ヒロッシーニで使っている野菜は100%のらくらさんの野菜ではありません。
うちの畑で採れたズッキーニやきゅうりを使うことも、
父の友人から頂いた野辺山産レタスやキャベツ、ブロッコリーを
使うことも、近所のおじいちゃんに頂いたじゃがいもやにんじんを
使うこともあります。
100%のらくらさんの野菜だけで料理を作ったら絶対美味しいとは思っていますが・・・
そこにはそんなにこだわってはいません。

先日、はあちゃんち(実家)に野菜をもらいに行きました。
真夏の田舎らしい、曲がったきゅうりやなす、かぼちゃにじゃがいも
トマトにピーマンなど、すごい量の夏野菜が台所に転がっていました。
(コロコロ転がってはいませんが・・・)

そこに、近所のおじさんが沢山のきゅうりとなすを持ってきました。
現時点でとんでもない量の野菜があるのに
ばあちゃんは迷惑そうな顔一つせず、
「こんなに悪いんに」と言って、奥座敷から 「孫に食べさせな」と
ゼリーの詰め合わせを渡してました。
おじさんも 「そんなのいいだよ」と言って、お互い「いいに、いいに」
「いいだよ、いいだよ」と繰り返してました。

「こんなに野菜があるのにもらってどうすんだよ」って昔はよく思ってました。
必要のない野菜をもらって 「ありがとう」 と言ってお礼に何か渡す。
決して合理的ではありません。
でもそんな田舎らしいところが僕は大好きです。
人生という長いスパンでみたらとても合理的なのかもしれません。
だから、のらくらさんの野菜だけを使うことがこだわりには感じていません。

先日、この夏の映画 「おおかみこどもの雨と雪」 を観てきました。
主人公の花が沢山採れたじゃがいもをご近所にお裾分けする。
全然じゃがいもが採れなかった近所の人はお礼にお米や大根をあげる。
ご近所同士が助け合って生きている。
そのシーンが心に残りました。              シェフ