ミモザ

高校卒業後、18歳でこの世界に入りました。
はじめは ホテルで料理人をしていました。
そのホテルでは主にフレンチでしたが
カフェレストランや和食・デザートもやっていました。
時には京都での日本料理の研修期間も作ってもらい
今思うと本当にホテルでの時間は僕にとってしっかりと基本を
勉強させていただいた大切な時間だったと思います。
そのホテルを丸10年で退社し、イタリア料理の世界へ。
その節目となる2000年何ヶ月という長い休みを頂き
初めて一人でイタリア旅行へ行きました。
(今更ですが、僕はイタリア修業時代というものはない人間です・・・)

格好つけて一人でイタリアへ来たものの
イタリア語を全くわからない僕にとっては食事も何もとてもさみしく
残念な時間ばかりが過ぎていました。
そんな時にローマからフラスカーティの村へ行く途中 ローカル電車の車窓から
満開のミモザの花を見ました。
紺碧の空に低い雲、遠くまで広がる景色の中に
ぽつんぽつんとローマ水道の遺跡。そして満開のミモザが美しく、
イタリアへ来てから一ヶ月初めて心から来て良かったと思えた瞬間でした。

先日、7周年のお祝いに常連のお客様よりお花をいただきました。
そのお花の中に大好きなミモザの花が入っていました。

8年目の今年、イタリア料理という冠をはずしましたが、
僕の中にはイタリア料理はやはり大切にあります。
ミモザの花を見て初めてイタリアへ行った時のことを思い出し
この気持ちは変わらずに新しい料理を取り入れていきたいと思いました。

遅くなりましたが、おかげ様で2月2日に8年目を迎えました。
皆様に飽きられないよう、スタッフ一同頑張っていきたいと思います。
どうかよろしくお願いします。

イタリアで満開のミモザの花を見たのもちょうど今頃の2月でした。
そしてイタリアへ行く日の佐久平駅は今日のように大雪でした。    シェフ