心が折れる…
今朝は消防団の大会のお弁当をヒロッシーナで作らせて頂きました。プライベートの時間をやりくりして、本当に大会までの練習や日々の仕事中にも関わらず、急な火事で出動など、一年を通して地域のために本当にご苦労様です。そして本当に頭が下がります。
もう20年近く前ですが、僕も消防団の誘いがありました。その時は結局、ホテルに勤めていましたので、仕事がら帰宅するのは、毎日22時から23時くらいだったことと、料理人としても、当然下っ端だったのでお断りをしました。その頃、僕が住んでいたその地域は若い人も、沢山いたので快く理解して頂きました。
そんな最近、ヒロッシーニを独立してから、よく思うことがあります。今回はかなり愚痴っぽい話しに聞こえますが、決して愚痴ではありません、どうか最後までお願いします。
消防団の練習がいかに大変か経験がないので、僕にはわかりませんが、これは消防団に対する話しではなく、消防団の練習の時間に参加できる仕事をしている人を(無理をなさっているのは承知していましが)羨ましく思う時がホンのたまにあります。
今日は時間の話しです。
他にも商工会の青年部など何かの集まりなども決まって19頃からです。
ナイターソフトボールやバレー、バスケや色々な趣味を楽しむことができる時間も同じです。
他にも夕方に仕事を終え、当たり前に友人や同僚と、気軽にどこでも食事ができる時間を持てる人…
本当一年に一度あるか ないかくらい程度で、そういう時間を持てる人をうらやましく思う日もあります。
でも、僕らの仕事はそのディナーの時間が、一日で一番大切な時間なのです(それは接客だけでなく、売り上げも含め)
25年前、僕はこの仕事を自分の意思で選び、この仕事に人生をかけ、プライドを持って働いています。だからやっぱり、そんなに気になりません。
結婚記念日や誕生日、送別会や女子会、本当にただ友人との食事など楽しそうにしているお客様の姿を見れることが何よりも嬉しいからです。
そんな先日、高島健一の友人で常連のお客様のご予約がありました。料理はシェフお任せの料理、席も、その方が初めてのお客様をお連れすることもあり、きちんと配慮をしましたが、当の本人は20時を過ぎても来店されず、先の方は一時間以上お待ちになり、お任せコースをお願いされている以上、揃わないのにお出ししていのかわかりませんんし、ご用意している以上、閉店時間までに料理をお出ししなければなりません。そんなわからない状態で正直、僕らはまいってました…
ようやくそのお客様がみえたので、高島が友人として「みんな気を使ってお待ちしています。連絡もなくこういうことは〜」と軽く外で伝えていました。
多分、僕らの商売を見下したのかわかりませんが、オレはお客だぞっとお怒りになったのでしょう。そのお客様は帰りがけに「今日はすいませんでした」と言いながらも、高島が「こちらこそ、すいませんでした。また機会がありましたら、ご利用よろしくお願いします。」といったところ「もう利用することはないから」と吐き捨てて帰られました…
さすがに、その言葉はスタッフみんなの心を折りました。
私たちは入店された以上、どんな理由がありましても最後のデザート、コーヒーまで、気持ちよい接客を目指します。
その方はうちの金融でもお付き合いしている方です。「小さなお店を手助けするのが私達の仕事ですから」と営業を担当している方です。そうお互いが仕事の関係でもあるのです。
(ちなみに八十二銀行ではありません)
よくシャツの襟の色で仕事を差別する話しがあります。
ホワイトカラーはエリート仕事、作業着を着ているブルーカラーの仕事、そして料理の世界ではよく言われる「白い服を着たブルーカラー…」
銀行やイオンに、「時間前に入れてくれ」っという人は決していません。TSUTAYAやファミレス、チェーン店の居酒屋などで、蛍の光が流れても気にせずゆっくりしている人はいません。
僕ら個人店は、定休日に休んでも「せっかく来てやったのに休みだった」としかられ、閉店の案内をするだけで、ムッとされ、酔っ払いには怒鳴られます。
どうか、わかって下さい
僕たちは、役場の方たちと同じ8時30分には出勤をしています。(決して役場方々が労働時間が短いと言っている訳ではありません。イオンやTSUTAYAと同じく、分かり易い表現としてです)
そして22時に最後のお客様をお見送りをし閉店、その後片付けや発注をして帰ります。家に着けば、とうぜ日付は変わっています。その分休憩時間は長いと思われていますが、予約の電話や業者さんからの荷物を片付けていれば、一時間も休めません。完全に僕のお店はブラックの次元を超えたお店です。
それでも大好きな仕事とお客様の笑顔をみたく、スタッフみんなが毎日を笑顔で働いています。そんなスタッフを侮辱することや見下すことは僕は絶対に許しません。
どうかわかって下さい
個人の飲食店は毎日、そんな苦い思いをかみしめながらも、笑顔で働いていることを
どうかわかって下さい。
個人の飲食店は、些細ないざこざでも、お客様を失うという恐怖と、背中合わせで働いていることを
どうかわかって下さい。
僕たちは、営業時間以外も真剣に働いていることを
そして、どうかわかって下さい
大好きな個人の飲食店がなくなる日もあることを… シェフ