ご縁がありますように
あけましておめでとうございます。
今朝は柔らかい日差しが心地よい、穏やかな新年の朝を迎えることができました。
いつもの様にゆっくりと梅湯を頂き、近くにある新海神社に今年も家族みんなで朝一番で初詣に、
今年は息子が高校受験の年なので特に強い願いを込めての初詣になりました。
我が家は初詣に行く際にお賽銭箱に入れるお賽銭(5円玉)をそれぞれの思いに合わせた額を持って出かけます。
例えば、息子シエナは5円玉を4枚
「よいご縁がありますように」
新しく始まる高校生活でお互いが向上し合える良い友達ができますように。
娘のりおんも5円玉を4枚
「よいご縁がありますように」
女の子特有の陰険な←(表現が適切でないかもしれませんが)
そんな関係でない、本当のお友達に出会えることを願って。
僕は5円玉を6枚
「安定と調和のとれたご縁がありますように」
「6」という数字が使われる「六角形」には、安定と調和をもたらす意味があります。
白黒をはっきりさせる性格で、正しいと思ったら(正しくない時も多いが…)絶対に曲げず相手が傷つこうが強く言ってしまい、それで相手が離れていこうと、理解されないのなら自分から縁を切ってしまう、そんな人生をずっと送ってきた自分です。
勤め人の頃は、それでもあまり問題はなかったような気がしますが、やはり独立をすると、商売的にかなりの影響が出ました…
それでも『それを貫き通す』と、くだらない我を通し生きてきました。
そんな昨年、これといったきっかけはないのですが
(あるとすれば子供たちから学んだのか…?)
本当に人とのご縁や人間関係、付き合い方を見直し、考え直す時間が作れました。思い直して日は浅いのですが、どっちが悪かったとか、あの時は…などと蒸し返さず、3年以上前のことでも、先ずきちんとお詫びに出向き、遠方の方には手紙を書き、出向けない方には電話をかけお詫びをしました
結局、ほとんど修復することはできませんでしたが、それでもお詫びをすることはできました。
飲食店をやっていると、やはり理不尽なお客様もいます。僕は日頃支えてくださる大勢のお客様より、この少数の理不尽なお客様の数ばかりを数えて生きてきた気がします。
昨年本当に今更ながらですが、人とのご縁や付き合い方を考え直すきっかけとともに、理不尽なお客様でなく、その支えてくださっているお客様に目を向けられるようにもなれた気がします。
だからなのか、オープンから11年が過ぎ、いまは本当に毎日が穏やかな気持ちで、料理の向上だけを考えて仕事ができています。本当に僕の仕事は、お客様あっての商売なのです。
そんな支えてくださっているお客様話から…
ヒロッシーニがオープンした頃から、かれこれ10年以上変わらず、月に3回はランチに通ってくださる野菜が大好きな宮本さんというご夫妻がいらっしゃいます。最初の頃はパスタランチを注文され、サラダを召し上がり、野菜中心のパスタを食べてお帰りになっていましたが、4年くらいが過ぎた頃、レジでお帰りの挨拶の際に色々とお話しもするようになり、さすがに料理もマンネリしすぎてしまうので、「よろしければ野菜中心のおまかせランチにしましょうか?」っと尋ねたところ「ぜひ喜んでお願いします」とお返事を頂きました。
それからというもの、来店される度に(必ず前日までにご予約を頂いて)毎回違う旬の野菜を使った料理
前菜やサラダ、スープ、パスタをご用意してお出ししています。(僕個人のfacebookでタグ付けしてくださるので、宮本さんの投稿を見てる方も多いかと思います)
そんな料理の関係をもう5年以上させていただいています。
本当に毎回頭を悩ませますが、それでも本当に僕は感謝しています。
僕が思う『料理人が育つ』2つの大切なことがあります。
それは、決して褒め上手な人ではありません。褒め言葉はむしろ後退していくような気もします
(これは、あくまで育てるに関しての僕個人の考えで、僕自身褒められるのは大好きです…笑)
先ず一つ目は…
先の宮本夫妻のように、いつも新しい料理を作らなければっと思わせてくれる環境です
同じように、いつも『シェフのおまかせで』っと絶対の信頼で来てくださるお客様もそうです。
ただし新しい料理を出すのではなく、当然美味しいを大前提で考えた料理の提供です
本当にこういう状況は、脳ミソを休めさせることなく料理のことだけを考えさせてくれるので新しい料理を作り出すことはもちろん、修行時代に学んだ20年以上前の料理を振り返ることもできます。
二つ目は…
きちんとした目で厳しい評価をしてくださる方
(初来店で料理評論家ぶっている方や2度と来ないのに評論家ぶる方は問題外です…)
変わらず来てくださる中でも「今日の〜はちょっと…」っといいズラくともきちんと言ってくれる方です。
さすがに1カ月くらいは凹みますが、成長するには一番大切なことだと思います。
そんな日々、知らず知らずに課題をくださるお客様たちに育てられ、おかげ様で今日穏やかで暖かな12年目の春を迎えることができました。本当にありがとうございます。
そして、そんなお客様のおかげもあり、昨年の秋に取材を受け、全国誌の旅行雑誌『るるぶ 信州』の2017年版『高原野菜の美味しいレストラン』でヒロッシーニが掲載されることになりました。これから一年間全国の書店に並びます。
(4月〜3月かもしれませんが…)
本当にとても光栄なことだと思っています。
取材の際、るるぶの方に「どうしてウチが選ばれたのですか?」と素直に気になったので質問しましたら、「ネットの評判もありますが、それ以上に、この地域の方や色々な方に直接伺ったら、ここを紹介されました」と言われました。
やっぱり僕の商売は日々支えてくださるお客様あってなんだと改めて感じました。
そして、もう一つ『美味しい料理の絶対比率』と言われる
『素材7割、技術3割』その中の7割をしめる素材(美味しい野菜)を作ってくださっている農家さんとのご縁と農家さんの日々の努力があってのことだと痛感しています。
本当に皆さんありがとうございます。
新年を迎えまして、改めてまだまだ未熟な私ですが、何かのご縁と思って末永く、これからもお付き合いをお願い致します。
今朝、早起きをして初詣に行ってきました。お賽銭は、5円玉を6枚
「安定と調和のとれたご縁がありますように」と… シェフ