『今年の漢字は…』

おかげ様で今日
今年最後のお客様の料理を出し終え
2017年の料理納めとなりました。

僕の右腕として10年働いてくれた
足立の独立からもうすぐ3年が経ち
この3年間は、朝から晩まで
すべての料理を一人で仕込み
ランチ、ディナーともに
すべての料理を一人で
提供してきましたが
さすがに厳しく限界を感じています…

僕が休むということは…

例えば
インフルエンザや風邪
疲労などでダウン
または、入院を余儀無くされる
病気や事故にあう
当然身内などの不幸があれば
僕が一人で料理を作っている以上
予約の有無に関わらず
お店は休まなければなりません
そうなれば当然
売り上げもありません

それでも今日まで3年近く
1日も休まずにやってこれたのは
体調管理を徹底してきたわけでも…
休暇を十分にとってるわけでもありません…
毎日気を張ってやってはいますが
本当にたまたま病気にならなかっただけで
本当にたまたま交通事故に
あわなかっただけの偶然にすぎません…

だから
今日の帰り道に事故にあうかもしれないし
明日、急にインフルエンザにかかり
数日休むようなことになるかもしれません…

料理人、または調理見習いは
この3年間ずっと募集はしていますが
まだ誰一人と現れず…

いま働いてくれている
スタッフを見ていると離職もなく
みんな3年、5年、10年と働いてくれています
もちろん求人の条件やお店の体制は
当然あると思いますが
やはり
これも縁だと思ってやっています

だから
そのご縁を信じて

『まだ見ぬ君へ』

君がもし僕のお店にいてくれたら
もっとお客様の笑顔が増えるだろう

君がもし僕のお店にいてくれたら
もっとスタッフの笑顔も増えるだろう

君がもし僕の横にいてくれたら
もっと色々な食材にふれることができるだろう

君がもし僕の横にいてくれたら
もっと素敵な一皿をお出しすることが
できるだろう

君がもし僕の横にいてくれたら
僕はたくさんの刺激を君から受けるだろう

もし君がこのお店にいてくれたら…
みんなの疲れは減り休日も増えて
自分の時間や自分の人生を
もっともっと楽しむことができるだろう

まだ見ぬ君へ
早く会いたいものです…

そして、もう一話
オープンから丸12年が経ちます
今年は、この12年の中で
いちばんと思うくらい
本当に色々なことがありました
迷いと苦悩、絶望と不安
すべてを諦め、投げ出すことも考え…
そんな時間を過ごしていました。

ただ、
その厳しい状況のおかげで
色々なことを
こんなにこんなに考えたことは
無いくらいに真剣に考えることが
できました
そして
苦労に苦労を重ねてきた人生の先輩や
心許せるお客様、友人に相談をし
おかげ様で絶望の底打ちを終えて
いまは這い上がっています

自分自身を見つめ直し
自分に嘘はつかず
自分の信念を強く持ち
自分を信じて貫き通す

料理が楽しくなる魔法の言葉を
教えていただき
いまは、料理人になった頃より
それ以上に
料理人生の中でいちばん楽しく
料理をしています

何年か時が経ち
いつか
今頃の自分を思い出したとき
きっと
今の自分の人生を
ここまで変えてくださったのは
ヒロッシーニというお店を通じて
ご縁をいただき
お付き合いさせていただいている
『この方々』の存在だと感謝をし
その感謝の気持ちを忘れず
2018年は
もっともっと料理とサービスを
楽しみたいと思っています

僕にとっての今年の漢字は…
ご縁の『縁』です

料理が楽しくて楽しくて
たまらない料理人が作る料理はきっと…

最悪なことを乗り越えたおかげで
忘れられない最高の一年になりました

今年も一年ありがとうございました
皆様、良いお年をお迎えください

ー オーナーシェフ 中山弘 ー

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