『大切なお店…』


閉店の投稿から4日が経ちます
たくさんのお客様や友人が、私をお店を心配して来てくださっています
「いまシェフはどんな気持ちで…どんな状況で仕事をしているのか、これからシェフはどこへ行ってしまうのか…?
それが心配で、コメントやLINEや電話ではわからないから直接会って」と来てくださっています
とても不謹慎ですが、そのお気持ちはとても嬉しいです
だけど、ほとんどのお客様が「受け入れられないと泣いてしまったり」ただ呆然としていて…
12年という長い時間が作りだした、その光景を見ていると、本当に心が苦しく心が痛くなります…

(コメントやLINEなどで同じ思いの方はたくさんいることは伝わっています。逆にいい話ではないので、本人に聞きづらいということもわかっています
遠方の方や時間の都合がつかない方、みなさんの状況は違います。それはわかっています。来た来ないという話ではありません どうか気分を悪くしないでお読み下さい)

これからのことが、曖昧に書かれているので、歯がゆさを感じている方は多いと思いますが、金銭的なことも含めて、これからの色々な方との色々な状況の変化で私の今後が変わってきます
『近くに移転する』ということが、簡単そうで簡単にできない理由があります
それは説明がとても難しく長くなってしまいますので、心配され来てくださった方には、今のところの現状を、できる限りお話しさせていただいています

少し話が変わります
2018年6月18日のブログ
『一年後もある…』に書かれている内容は、(もう一度読んでみてください)今思えば ヒロッシーニのことを書いているように思えますが、これは本当に本当に違います!
ちょうど、この頃は予約がゼロの日が、ずっと続いていて、本当にヒロッシーニのこの厳しい状況をなんとか打破しようと、敷居を下げようと、予約状況のカレンダーを作ったり、アラカルトメニューを復活させたり、『只今 営業中』の看板を階段下に設置したりと奮起している真っ最中でした。

このブログは、春くらいに、同じ飲食店のオーナーと時間を作って、お互いのお店の売り上げや集客状況、色々な悩みや今後のことを話していた、そんな中で『閉店しようかな…』という言葉がでてきたので(私ではなく)少しでも何かが変わってくれればと思い、あのブログを書きました…

ウチが閉店の投稿をした朝、そのオーナーからメールが来ました
「決断されたのですね、ウチも続こうかと思います」と後追いのメールでした…
別の友人からも「ずっと迷ってたけど、勤め人に戻る決心がついたよ!」っと電話がきました…
この後追いのような状況に複雑な気持ちでいっぱいです

閉店せざるを得ないお店には、閉店せざるを得ない確固とした理由があります。料理がまずい、料理が遅い、スタッフの対応が悪い、雰囲気が悪い、やる気がない、お店が汚い、駐車場がない、値段が高い、客層が悪い、タバコが吸えない、子供が入れない、営業時間が短い、メニューが少ない、色々条件が多い、何度行っても入れなかった…など
そういうお店は仕方ないと思います

ただ、あなたの大切なお店、大好きなお店、潰れてほしくないお店には、やっぱり通ってほしいのです
それはレストランだけでなく、食堂でも居酒屋でも焼き鳥屋でも、ラーメン屋でもカフェでも…
一見華やかに見える飲食の世界ですが、本当に利益がうすく、労働時間だけは無駄に長く、儲かっているように見えて、内情は火の車のお店がほとんどだと思います
「私一人が通ったくらいで…」と思うかもしれませんが、そんな一人一人の小さな積み重ねが、お店を支えてくれているのです
だから、大切なお店には、やっぱり通ってほしいのです
チェーン店にお金を落としても意味がないという話ではありません。大切なお店を守れるのはお客様であり、食べてくれる人がいて、はじめて僕らは料理人なのです

現状はどうあれ、明日も変わらず料理とサービスの向上に努めていきますので、よろしくお願いいたします
ちなみに、予約状況カレンダーは、相変わらず○マークの日が多いです
○マークは予約ゼロの0マークと思ってもらって大丈夫です…笑

最後に、写真の花は…
昨晩、食事に来てくれた七代目助屋の金子くんからいただいたお花です
彼とは、同じ2006年にオープンした同期で、オープン当時はラーメンとイタリアンで色々なコラボをしたり、仕事を終えると飲みに行き、自分の夢や経営論を朝まで語りあかしたり、時には取っ組み合いの喧嘩もした仲です

最初の出会いは、お客さんに助屋さんの餃子が美味しいからと薦められ、食べに行くと、餃子の中がかなり冷たく、露骨に箸を置いて席を立ちました…
すると、オーナーの金子くんが出口まで走ってきて、深々と頭を下げ何度も何度も「もう一度だけ、作らせてください」「もう一度だけ作らせてください」と言って引き止められました
それから、彼が餃子を焼き食べさせてもらいました
その餃子はとても美味しく、そのまま、もう一皿とおかわりをしてしまいました…
「カウンターだったので、最初の餃子を焼いていたのは、まだなれないバイトだったのもわかってたけど、それは冷たい餃子の理由にならないから、露骨に箸を置き帰ることにしたんだ」
と金子くんに話し、自分の名刺を渡しながら自己紹介をしました
それから、12年変わらず僕と付き合ってくれています

「この花は、「閉店おめでとう」という意味の花では当然なく、閉店が決まると廃れていくお店が多い、電球が切れていてもそのままだったり…
そんな中でもヒロッシーニさんは、いつもきれいな花がある!そういうところが中山さんの美学だから、それをこれからも貫いてほしいから、この花を飾ってください…」
と持ってきてくれました
佐久のラーメン界を全国区まで伸し上げた金子くん、閉店のお店に花を持ってくる金子くん、相変わらずカッコいい男です