『ヒロッシーニは年内をもって閉店します』
2006年、2月のオープンから12年間続けてきた、ヒロッシーニを終えることを決めました
日々支えてくださるお客様、この店舗のオーナーさんや関係者の皆様、業者の方々には大変急なお話しで、戸惑いやご迷惑をおかけすることをどうかお許しください
この決断に関しましては、色々な理由があり、昨日今日、決断した話ではございません
もちろん12年という長い歳月、やはり店舗の老朽化もその理由の一つであり、個人の飲食店にとって、この厳しい時代背景(時間の制限もなく、メニューの豊富さや安さを売りにしているチェーン店との競争)も大きな理由であります
そして、今回決断することとなった一番の理由は…
ヒロッシーニのスタッフとして10年、特に足立君の独立後、この3年間、私の右腕として働いてくれた高島健一の離職も大きな理由になります
ヒロッシーニは、安定した終身雇用の会社ではありません。私の身に何かあった場合、翌日には失業となってしまう…そんなお店です。33歳となった高島健一自身が、これから(将来)のことを真剣に考えた結果の判断であり、また お互いにとっても大きな転機だと感じ私も決断をいたしました
現状、みなさんもご存知のこととは思いますが、私がオーナーの仕事と料理人として料理全般を担当し、それ以外のこと、料理のサービスをはじめ、ソムリエとしてワインのサービス、調理補助、予約管理や電話での予約対応、顧客管理、発注や業者さんとのやり取り、そして洗い物や最後のゴミ捨てまでといった沢山の仕事を高島が担当しています
もちろんバイトのみんなにフォローしてもらいながらの仕事です
私には私の沢山の仕事はありますが、やはり高島の存在あってのヒロッシーニであり、高島抜きでこの箱(このお店のキャパ)を継続していくことは不可能なことなのです
無理をして継続させたとしても、すでに、この数年で出来上がっしまった現在のヒロッシーニの料理やサービスを維持させていくことは大変難しく、日が経つにつれ、どんどん落ちていく料理やサービスだけでなく、自分の体力やモチベーション、そんな最悪の形でヒロッシーニを終わらせてしまうことは…とこの数ヶ月、僕と高島と優子さんで真剣に考え、みんなで出した答えなのです。特に、この決断をしてからの数日、お客様とのやり取りの中で来年、再来年、もっと先の話をされることに心が苦しく、また僕らが前に進むためには、しっかりと皆さんにお伝えしなければ先に進むことができない思い、大変勝手なお話ですがこのような形を取らせていただきました
高島は、同じ飲食の世界でソムリエとして仕事をやっていくのか?それとも全然違う仕事をするのか?これから時間をかけて考えていくそうです
私自身は…
先ずは、色々な方に協力していただき、この店舗を居抜きで買ってくださる方を一番に探します
それによって今後、この佐久で自分のキャパにあった小さなお店を出すのか?
または、全然別の地で物件を探し、新たに挑戦をするのか?
それとも経営者として、また自分自身の料理を見つめ直すためにも、勤め人として誰かの下でお世話になるのか?考えていきます
居抜きで買ってくださる方を見つけるための時間と、その後の準備のための時間を考えますと、年内、年度内を区切りにと、まだはっきりは言えませんが考えております
これを読んで、僕と高島の関係を心配される方がいらっしゃると思いますが、何か揉めたわけでも、高島が逃げだすという形でもありません
10年という長い時間を一緒に働き、書ききれないほどの辛い時、楽しい時間も共に過ごした部下であり、最高のパートナーです。変な憶測を持たず、変わらずご来店いただけることをお願いします
重ねて最後に、あと数ヶ月となりますが、感謝の気持ちを込めて仕事をいたします。お客様皆様につきましては、勝手なお願いにはなりますが、できる限り足を運んでいただければ幸いです
また、色々なことが決まり次第、皆さまには、随時お伝えしていきますので、よろしくお願いいたします –シェフ–